HEALTH

2023.05.27

忘れ物が多い堀江貴文は標準以下!? 海馬の大きさと記憶力の関係性

カラダは究極の資本であり、投資先である。そう断言する堀江貴文氏が、最先端の医療と美容情報を惜しげもなく伝授する本連載。今回のキーワードは「認知症予防」。脳の深部にあり、記憶を司るという海馬の体積をMRIで測定することで、認知機能の低下を予兆できるという。この医療サービスを行う「コグスマート」CEOの樋口 彰氏と開発に携わった東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授に、実際に測定を受けた堀江氏が結果を聞いた。連載「金を使うならカラダに使え!」とは……

堀江貴文氏と樋口彰氏(左)、瀧靖之氏(右)

堀江貴文氏と樋口彰氏(左)、瀧靖之氏(右)。

いまだ有効な治療法がなく最後の病とも呼ばれる認知症

瀧靖之(以下瀧) 今回は我々の医療サービス「ブレインスイート」をご利用いただきありがとうございます。

樋口彰(以下樋口) ブレインスイートは頭部MRIの画像を人工知能(AI)で解析し、記憶力を司る海馬の健康状態をわかりやすく“見える化”します。瀧教授が所属する、東北大学加齢医学研究所が開発・監修を行っています。

堀江貴文(以下堀江) 海馬は大脳の側頭葉の深部に左右一対で存在する記憶に関わる器官で、認知機能にも影響していますね。

 そうです。記憶力や判断力という認知機能の低下の兆候は海馬の萎縮として現れますから、海馬の体積の減少がわかれば認知機能低下軽減の対策がすぐに可能になります。海馬は大人の小指程度の大きさしかないので、従来の技術では萎縮の進行確認には限界がありましたが、AIの画像解析技術や東北大学で収集した脳画像データベースなどの脳医学研究を用いることで、海馬の科学的評価が可能になりました。では堀江さんの画像解析結果をお伝えしますね。

堀江 お願いします。

 お渡しする解析レポートには、3方向からのMRIの断面画像に海馬を示し、3D化による体積を記載しています。また、継続的に測定すれば、体積の推移もわかります。4枚目のグラフは同性・同世代の方々のなかで堀江さんの海馬の体積がどのあたりなのかを示しているのですが、「標準」とされる範囲の下限くらい、という結果がでました。

堀江 標準の下限ですか。

 記憶の中枢である海馬の体積と記憶力には相関があり、運動、睡眠、食、ストレスなどに影響されます。堀江さんの生活習慣では運動も、睡眠もしっかり行っているんですね。

堀江 はい。海馬によいという、6つの生活習慣項目はすべて当てはまっています。それなのに体積が標準の下限という結果だと、もともと海馬がちっちゃいんじゃないかと(笑)。実際、僕はかなり忘れっぽいんです。例えば家を出る時には、手持ちでスマホとポケットにマネークリップ、このふたつだけ。いろいろ持つと忘れてくるから。AirPodsもなくすから5台目くらいだし。自覚しているので、忘れ物対策はすごくしています。

 意外ですね。以前から?

堀江 もう、子供の頃からずっと。だから結果をうかがって、やっぱ俺、海馬ちっちぇえんだって思いました(笑)。

 ただ、運動も筋トレと有酸素運動の両方をされていて、生活習慣はいいですし、ふだんは物凄く頭を使ってらっしゃいますよね。一般的には加齢とともに海馬が萎縮しますが、堀江さんは、今後あまり変わらないかもしれませんね。

堀江 20年前の海馬の体積データはないから、比較できないのが残念ですね。その頃のMRIの画質では、海馬はよく見えなかったですよね。

 そうなんです。堀江さんの海馬がここ何年かの間に萎縮したのか、もともと小さいのかはわかりません。かなりお忙しいと思うので、日常的に強いストレスがかかっているのかなとは思いましたが。

堀江 ストレスがないように工夫はしています。起業した20代の頃も睡眠時間は確保していました。会社に仮眠室やシャワーブースをつくって、できる限り自宅に帰らないようにして。若かったから今より寝ていたくらいです。ただ当時、運動はあまりできてなかったですね。あとは、記憶することを限定するというか、余計なことは忘れます。例えば人の名前や顔は覚えきれないから、初めから覚えないことにしています。無理だから。

樋口 なるほど。

 まあ、記憶はデバイスに頼ればいいですからね。

堀江 iPhoneとかで外部記憶ができるし、AIも出てきたので、記憶は自分の海馬ではなくて、そっちに頼りたいと思います。

 そういう考え方もありますよね。記憶や情報をどこに入れたかがわかっていればいいのですから。

樋口 私も実は、海馬が萎縮していて、体積は堀江さんより小さいんです。記憶力はいいほうで20代では16桁の数字も暗記できていましたが、仕事の状態が、堀江さんの起業当時に似ています。今や8桁の電話番号を覚えるのが厳しく、記憶力の低下を自覚していたなか、ブレインスイートの検査をしたところ「標準」からかなり外れていました。ショックだったので、今は週に一度は走るか、自転車で通勤するなど、忙しくても日常生活に運動を取り入れています。

堀江 そうなんですか。

 樋口さんは海馬の体積測定で行動変容した人の例ですね。脳の神経細胞は基本的に新しく生まれないのですが、海馬は特殊で。ストレスなどで萎縮する反面、運動や睡眠を増やすことで神経細胞が新生して体積が増えることがわかっています。日常の習慣が端的に反映される領域なので、年に一度のブレインスイートで経年変化を知ることが、認知症予防につながります。

堀江 ブレインスイートを受けられるのは医療機関ですか?

樋口 当社と契約をしている約25の医療機関で受けられますが、契約済みの医療機関は近々50ヵ所を超える予定です。弊社HPをご確認いただければ。受診し会員になっていただくと、海馬体積検査のほか、生活習慣チェックや認知機能テストも受けられます。会員サイトでは脳の健康管理をサポートするコンテンツも豊富にご用意していますし、医師や看護師によるオンライン健康相談なども行っています。今後は健康に関わる幅広い分野の企業との提携も充実させたいと考えています。

堀江 受診する世代に特徴は?

樋口 20〜80代と幅広いです。脳から始めるへルスケアとして、特に40〜50代の方に知っていただきたいと思っています。

コグスマート
コグスマート代表取締役であり、東北大学教授・医学博士の瀧靖之氏などが2019年に設立。2021年に樋口彰氏が同社代表取締役CEOに就任。脳ドック用プログラム「BrainSuite®(ブレインスイート)」の開発・提供を行う。ブレインスイートの単独受診は¥14,300~(医療機関によって異なる)。

Takafumi Horie
1972年福岡県生まれ。実業家。ロケットエンジン開発や、アプリのプロデュース、会員制オンラインサロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」運営など、さまざまな分野で活動する。予防医療普及協会理事。『不老不死の研究』(幻冬舎)が発売中。

■連載「金を使うならカラダに使え!」とは……
カラダは究極の資本であり、投資先である。そう断言する堀江貴文氏が、最先端の医療と美容情報を惜しげもなく伝授する連載。

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COMPOSITION=海野由利子

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