キーワードは「不老不死の研究」。これはまもなく発売される堀江貴文氏の著書のタイトルでもある。予防医療普及協会理事として得てきた、専門家たちによる幅広いアンチエイジング情報がたっぷり詰まった一冊だ。そこで今回は、堀江氏が驚いた研究や取り入れている医療、読者に伝えたいメッセージなどを語ってもらった。連載「金を使うならカラダに使え!」とは……
何をすれば有益かはわかっている
この2年ほど、予防医療普及協会などの活動で最先端の医療や研究に関わる方々と話をさせてもらい、ゲーテの連載も開始から1年以上が経過した。この間にも医療は相当進んだ気がする。
例えばエクソソーム点滴を行うクリニックが増えてきたとか。先日聞いた話では、エクソソームを抽出する脂肪幹細胞にも“活きのいい”ものと“よくない”ものがあって、いいエクソソームを抽出するために活きのいい幹細胞だけを使うという最新情報もあった。
新刊『不老不死の研究』では不老不死の最新研究から子づくり、美容まで幅広く取り上げているが、なかでも熱いと感じているのは第4章に出てくる冬眠の話。これは、究極の予防医療だと思う。
冬眠って熊とかリスがするものと考える人がほとんどだと思うけど、どうやら「哺乳類が一般的・普遍的に備えている能力」らしい。僕たちの身体からは、機能維持のためにさまざまな指令(ホルモン)が出ていて、それを受け取る受容体(レセプター)は全身の細胞にある。その中に、どうやら冬眠の受容体もあるらしい、という話だ。冬眠をする動物にはそれが見つかっていて、遺伝子解析では冬眠の受容体をつくる遺伝子もほぼ解明されている。人間のヒトゲノムは全解析されているので、冬眠特有の遺伝子配列をスキャンすると「このへんに冬眠の受容体があるかもしれない」ということもわかるという。
人間が冬眠できたとして、脳のクロック周波数(CPUが情報を送りこむ速さ)や、代謝が通常の1/100に落ちるとすると、「10年経っても、(身体的には)1ヵ月ほどしか経過していない」という状態になれる。例えば余命1年の難病にかかったとしたら、「とりあえず冬眠しておこう」ということができる。10年冬眠していれば、新しい技術ができて難病が治せるようになるかもしれない。1回起きてみて、その時に技術が進んでいなかったら「また何年か冬眠しよう」ということも可能。これは「ヒトの冬眠」という話の概要だけど、究極の予防医療だなと思う。近未来っぽいよね。
知識を得て行動するだけ
この連載で取り上げた先端医療は、僕もだいたいやっている。エクソソーム点滴は定期的に続けているし、歯科でエラボトックスもやった。噛む時の力で歯を割れにくくする目的だったけど、咬筋を使う頻度が減ったので小顔にもなった。副作用じゃないけど(笑)。
(睡眠時無呼吸症候群の治療に使う)CPAPは、装着しているうちに鼻呼吸がうまくなったので今はやっていない。テストステロン(男性ホルモン)補充は、血液検査したらまあまあ数値が高かったので、やる必要がないと診断された。
あと、運動。これは、最もコスパのいいアンチエイジング。楽しんで運動をする習慣をつくることがフレイル(心身の虚弱)予防になるし、すごく大事。特に地方に住んでいる人はちょっとした距離でもクルマを使いがちなので、意識して身体を動かすことが、年をとった時に必ず効いてくる。
新刊『不老不死の研究』にも書いたけど、予防医療として身体の足りない機能を補うために、僕は薬も服用している。例えば腎臓病を防ぐSGLT2阻害薬は糖尿病患者には保険適応の医薬品だけど、僕は糖尿病予防のために、医師に処方してもらい自費で飲んでいる。副作用を懸念する声もあるけど、どんな副作用があるのか? それは許容できるのか? 発症した病気ではなく、予防のための薬の服用は、そのリスクとベネフィットを比較するだけだ。
経口摂取か点滴にするかも比較する。経口摂取の場合は腸から吸収されるけど、それは服用量の全量ではなく一部。だから点滴のほうが全量体内に入るのでいいという人もいる。確かに点滴を毎日できればいいけど、それは現実的とはいえない。けっこう痛いし。だったら毎日サプリを飲むほうが継続しやすいんじゃないか? とか。エクソソーム点滴のように、月に2回すればいいものなら、点滴を選ぶとか。正しい知識を身につけて、どのように効果が出るのか確認することも重要。
年をとってからでは手遅れになることはたくさんあるけど、今は進化した研究や医療がある。だから、年をとる前にやるべきことをやっておかないと。特に30〜40代はすごく大事な時期。そこで踏ん張れるかどうか。これを何年も言い続けているけど、いまだにやらない人が多いんだよね。新刊『不老不死の研究』を読んで、一人でも多くの人に気づいてほしい。
アンチエイジングの最先端を凝縮した 『不老不死の研究』が2022年12月に発売!
堀江氏が25人の医師・専門家と会い、疑問をぶつけ議論をし、自身で体験も行った6章・25のテーマからなる「アンチエイジング大全」と呼べる一冊。自分の身体をよい状態に整え、老化の進行を遅らせるための情報が満載。この知識を得ることで今後の行動、人生の可能性が変わるかも。
Takafumi Horie
1972年福岡県生まれ。実業家。ロケットエンジン開発や、アプリのプロデュース、会員制オンラインサロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」運営など、さまざまな分野で活動する。予防医療普及協会理事。新刊『不老不死の研究』(幻冬舎刊)が2022年12月発売。
※この連載で紹介する医療は、研究中の医学に基づいて自由診療で行われており、現在も検証や臨床試験が続いています。
■連載「金を使うならカラダに使え!」とは……
カラダは究極の資本であり、投資先である。そう断言する堀江貴文氏が、最先端の医療と美容情報を惜しげもなく伝授する連載。