筋肉美をもつ女神シリーズ11人目は、大会初出場で優勝したチョン・エリ。連載「マッスル美女」とは……
育児とトレーニングを両立できたのは家族愛
韓国最高峰のフィットネス&ボディビル大会「MAX Qマッスルマニア」2021年下半期大会でフィギュア部門グランプリを大会初出場で受賞したチョン・エリ。
マッスルマニアのフィギュアグランプリは決して簡単に獲れるタイトルではない。この種目で追求されるボディは相当な筋肉量に加え、体型のバランス、ポーズと表現力を問われるため、トレーニング歴が浅い選手は挑戦すら不可能と言われるほど難易度が高いのだ。
そのフィギュアグランプリを大会初出場で手にしたことは高く評価されたが、関係者たちをさらに驚かせたのは彼女が一児のママであったということだ。
まさに彗星の如く現れた“モムチャン(ナイスバディの造語)・アジュンマ(=おばさん)”だが、彼女の栄光は一夜にして叶ったわけではなかったのだ。そこには母ゆえの数えきれない苦労と努力があった――。
そもそもチョン・エリは20歳の頃からトレーニングを続けており、いつか大会に出て華やかなステージの上で主人公になるのが夢だったという。
そのため長い間体型管理を徹底していたが、結婚して第一子を授かり出産した頃、ひどい関節痛と、激変した自身の体型に悩まされてしまう。産後うつや、ストレスから逃げるために、辛くてしょっぱいものを暴食し続け、体重は98kgにまで増えてしまったという。
「ストレスを受けては暴食という悪循環で……産後は本当に辛かったです。このままではいけないと思って、やっとの思いでダイエットを始めました」
毎晩、子供を寝かしてからトレーニングを行ったというチョン・エリ。育児と両立させながら、地道だが確実に痩せることを意識したらしいが、何よりも効果があったのは夫のサポートだったという。
「トレーニングも食事制限もひとりで続けることは大変でしたが、夫が一緒にやってくれたので、なんとか乗り越えることができました」
実は、彼女の夫キム・ドンミンは「マッスルマニア」の名MCなのだ。夫がさまざまなフィットネス大会に参加する度にチョン・エリも同行し、ステージで美しいボディを披露する選手たちを見ながら自分を奮い立たせたという。
そんな努力が実を結び、1年間で35kgの減量に成功。前述した大会で見事フィギュアグランプリを獲得してみせたのだ。ちなみに、夫のキム・ドンミンも妻と一緒にトレーニングをするうちにワイルドな体型に。本大会ではMCとしてではなく選手としても登場し、クラシックボディビル種目で2位に輝いている。
まさに夫婦で美ボディを手に入れたわけだが、グランプリを獲得できた理由について、チョン・エリは次のように語っている。
「忙しい時、私に代わって家事や、育児など積極的に協力してくれる夫がいなかったら、グランプリどころか舞台に立つこともできませんでした。優勝トロフィーの真の主人公は自分ではなく、愛する家族です」
家族による愛の力で手にしたマッスルマニアグランプリ。夫と愛娘に感謝と愛情を示した彼女に会場からは大きな拍手が鳴り響いたことは言うまでもないが、そんなチョン・エリに、最近新たな目標ができた。
「娘さえよければ、いつか2人で大会に出場してみたいですね。一緒に挑戦して忘れられない思い出を作りたい。だって私、優勝したステージを思い出すだけで今でも胸が震えるんです!」
彼女が見つけた新たな挑戦。チョン・エリとその娘の今後の活躍にも期待が高まる。
■連載「マッスル美女」とは……
健康志向が高まり、身体を鍛える人が増えている昨今。お隣・韓国でも全国各地で大小さまざまなボディビル大会や"美ボディ・コンテスト"が開催されており、ここから輩出された"マッスル美女"たちが脚光を浴びている。美しくもしなやか筋肉美をもつ女神をシリーズで紹介する。