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2022.09.01

日々の歯磨きの役割と限界、歯周病菌の知られざる怖さについて【堀江貴文】

今回のキーワードは「歯石クリーニング」。虫歯や口臭、歯周病の予防になるにもかかわらず、歯科医院で定期的に行っていない人がまだ多いことを堀江貴文氏は嘆く。連載第7回に登場いただいた歯科医師・石川 徹先生に日々の歯磨きの役割と限界、歯周病菌の怖さなどを忌憚​(きたん)​なく語っていただいた。連載「金を使うならカラダに使え!」とは……

Illustration=細山田 曜

歯周病菌の毒性は全身に影響する

堀江貴文(以下堀江) 石川先生には親知らずが虫歯になった30代の時に治療していただいて。それ以来、3ヵ月に1度、歯科医院での歯石クリーニングを続けています。それから15年ほど経っていますが、世間では歯科でのクリーニングをしたことのない人がまだ多いんですよ。以前よりは増えたと思うし、口臭がある人も減りましたけど。

石川 徹(以下石川) 歯科医院で歯石クリーニングをしている人の割合について、しっかりしたデータはないんですが、私の実感として2〜3割くらいかな。地域差も大きいですね。歯が抜けてもそのまま年を重ねる、という人もまだいらっしゃるし。

堀江 「年とったら歯が抜けて入れ歯になる」っていうイメージを持ってる人も、まだまだいますね。

石川 歯を失う原因は、厚労省の統計によると一番多いのが歯周病で、2番目が虫歯です。治療現場の感覚では、虫歯にヒビが入って割れる「破折(はせつ)」で抜歯にいたることが多いと感じています。虫歯は痛くて、日常生活に支障が出るからと皆さん治療に来ますが、歯周病は痛みがなくて、ある日突然、歯がぐらっとなるんです。つまり、そうなるまで放置しがち。人生100年時代に「年をとったら歯は抜けるもの」という思いこみは変えないといけません。早めに歯の異常に気づき、歯周病を防ぐには、定期的な歯石クリーニングが重要です。

堀江 僕は大学生の時に虫歯が悪化して。東大病院に行ったら、歯根囊胞(しこんのうほう:歯根部に膿の袋ができる)で、そこの歯科医に磨き方を徹底指導されました。汚れや歯垢が赤く染まる薬を塗られて、「赤いところが無くなるまで歯を磨かないと治療しない」って。1週間くらいかかって、やっと正しく歯が磨けるようになって、治療してもらえました。

堀江貴文氏

Takafumi Horie
1972年福岡県生まれ。実業家。ロケットエンジン開発や、アプリのプロデュース、会員制オンラインサロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」運営など、さまざまな分野で活動する。予防医療普及協会理事。共著に『女性の「ヘルスケア」を変えれば日本の経済が変わる』

石川 ほとんどの人は歯が磨けてないんですよ。歯磨き商品を作っている会社の社員120人によるアンケートでは、自分の歯磨きに「そこそこ自信がある」のが100人。「あまり自信がない」のが20人。実際に、その全員に歯磨きをしてもらって磨き残しのチェックをしたら、どちらの回答のグループでも、差はほとんどなかったそうです。しかも完璧に磨けていた人はゼロ。これが現実なんです。

堀江 完璧には磨けない。

石川 自分で完璧に汚れを取るのはほぼ不可能です。歯科医院でクリーニングをする場合、特殊な道具をいろいろ使います。それでも15分、汚れが多い場合は30分かかります。プロでもそれだけ時間がかかるのに、一般の人が市販の歯ブラシで2〜3分磨いたら歯がきれいになると思っているほうがおかしい。エアコンクリーニングみたいなもので、自力では汚れは取りきれないんです。

堀江 定期的なクリーニングが必要ですよね。

石川 例えば歯周病菌は、大きく分けて30種類ほどあって、歯垢、歯石の量と時間の経過とともに悪性度(毒性)の高い菌が増えていきます。だから、歯の汚れをできる限り少なくして、長時間溜めないことが重要で、そのためには、定期的なクリーニングでリセットする「プラークコントロール」が必須です。毎日の歯磨きでいえば、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシも使ってほしい。完璧にきれいにならなくても、歯垢の量が確実に減りますし、毒性の強い菌の発生を遅らせることができます。

堀江 僕は歯ブラシと歯間ブラシ、デンタルフロスを使っています。歯ブラシ自体にはあんまりこだわってないですね。電動歯ブラシとか、いろいろ使ってみたけど、結局、ホテルのアメニティの歯ブラシでいいと落ち着きました。歯ブラシに凝るより、磨き方が肝心だなと。

石川 おっしゃるとおり。そして歯の間の汚れを掻き出せる歯間ブラシも必須です。使い続けると歯茎の状態がよくなって出血も減ります。

堀江 歯石クリーニングに行く人が増えないのは、なんでなんでしょうね?

石川 「歯科医院は痛んだら行くところ」と考えている人がまだ多いんでしょう。欧米は日本のような国民健康保険がなく、歯の治療費がものすごく高額(1本20万〜30万円とも)なので、予防をしっかりしています。

歯科医師・石川 徹先生

Tohru Ishikawa
東京都生まれ。歯学部卒業後、都心の大規模歯科グループに勤務したのち、自由が丘にある石川歯科医院に2代目として勤務。その後、代が替わり院長として現在にいたる。

堀江 ドイツやデンマークでは歯石クリーニングをしてないと、治療に保険が適用されないとも聞きました。日本でもそうすれば、みんな定期的にクリーニングすると思うんですけど。

石川 それはなかなか難しいと思うけれど(笑)、医療脱毛がここ何年かで急速に常識になったのを見ていると、歯の美しさに対する意識も高まるように、もっと啓蒙しないといけないと感じますね。

堀江 身体の健康にも関係する問題なので、啓蒙活動の意味はあります。

石川 口腔内の歯周病菌は、いわゆる“悪玉”に分類されていて、その9割くらいは無意識に唾液と一緒に飲みこんでしまっています。酸素を嫌う性質の嫌気性菌(けんきせいきん)なので、歯垢が厚いほど、その中で増えやすいです。

堀江 あー、だから歯茎の奥とか空気に触れにくいところにも歯周病菌が居るんですね。

石川 歯周病菌は歯茎や腸から侵入して血管に入りこむため影響は全身に及び、歯周病の人は心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高いとか、アルツハイマーと関係しているという話もあります。歯周病菌は少ないほうが全身の健康のためにもいいのです。経営者層は歯をきれいにする意識を持っている人が多いから、歯石クリーニングの重要性を理解している人も珍しくありません。歯はきれいにしているのが普通、と捉える人が増えれば、歯石クリーニングも広がっていくと思います。

■連載「金を使うならカラダに使え!」とは……
カラダは究極の資本であり、投資先である。そう断言する堀江貴文氏が、最先端の医療と美容情報を惜しげもなく伝授する連載。

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COMPOSITION=海野由利子

PHOTOGRAPH=古谷利幸

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