鳴戸親方を長年苦しめてきた膝の痛みを、たった1回の注射で緩和させた「幹細胞治療」。この話題の最先端再生医療を43歳の普通のオジサンが体験してみたら……!【後編】
いざ、幹細胞注射、本番!
ついに幹細胞注射の日を迎えた。
予約した朝10時にお茶の水セルクリニックに向かう。注射する時間に合わせて、培養した幹細胞を新鮮な状態で準備するため、時間厳守だ。
おへそ付近から、自分の幹細胞を抽出してから1ヶ月。
培養した幹細胞はなんと1億2300万個を超えていた。2000万〜5000万個程度の場合もあるが、1億個を超えると十分らしい。
この1ヶ月で、左膝の痛み(外側側副靱帯断裂、半月板損傷、骨挫傷)はだいぶ和らいでいるものの、違和感はまだある。
改めて、幹細胞注射の流れをおさらいすると、
①問診や触診、MRI画像診断で患部の状態を確認
②局所麻酔後に、おへそ付近の皮膚を5mmほど切開し、脂肪組織を採取。採血も行う
③3~4週間かけて、幹細胞を培養
④幹細胞を注射で、患部に投与
今日がこの4ステップ目にあたる。
早速診察室に入り、まずは麻酔の注射だ。
ほんの少しチクッとする程度でほぼ痛みなし。
そして、いざ幹細胞を打ち込む。
自分の幹細胞が1億2300万個も詰まった小さな注射器が、一瞬強力なビタミン剤に見えた。注射針は細くて長い。これは、痛みのある膝の奥に幹細胞を入れ込むため、長い。
ぶすっ。むむ、全く痛みはない。何かを流し込まれているような、ほんの少しむず痒い感じが膝から感じられるものの痛みに敏感な私でも全く余裕へっちゃら。
10秒ぐらい注射で流し込み終了。幹細胞を行き渡らせるために、少し患部をおさえられる。出血はほぼなく、絆創膏を貼るだけ。呆気なく終わった。
当日は、激しい運動、過度の飲酒、入浴は避けた方がいい。シャワーは問題なし。
実際、シャワーを浴びて、晩酌程度の飲酒をしたが、全く問題なかった。
麻酔が切れた後も、翌日も、腫れ痛みは全くない。
幹細胞を各所に行き渡らせるためにも膝を動かしたほうがいいそうで、翌日から軽いストレッチを始めた。
それから1ヶ月。
膝の痛みはなくなり、ジョギングも普通にできるようになった。
これから、3ヶ月、半年、経つごとに徐々に結果が現れてくるという。
幹細胞治療の成果が待ち遠しい。
幹細胞治療は、治療時間が短く、副作用のリスクも極めて少ない。今回治療してもらったお茶の水セルクリニックでは、同クリニックで診療を行う齋藤琢医師と幹細胞研究の第一人者である辻晋作医師が共同開発した「TOPs細胞」を用いる。
辻先生いわく、人間の体は約60兆個の細胞から成り立っているともいわれているが、細胞には寿命があり、老化や病気、損傷によって、どんどん失われてしまう。けれど、体の機能を維持するには、新たな細胞を補充する必要がある。そこで大きな役割を果たすのが、細胞の元とも言える幹細胞。幹細胞が分裂、分化することで、新しい細胞が補充されるのだという。
関節や靱帯といった損傷部に、幹細胞を投与して細胞の再生を促進。そうすることで、関節や靱帯が、本来の機能を取り戻してくれる。
お茶の水セルクリニックと同じビルにある細胞培養加工室、(CPC:Cell Processing Center)でつくられたTOPs細胞は、ヒト脂肪由来幹細胞。患者本人の脂肪組織から取り出した細胞組織がベースなので、感染症にかかるリスクが低く、安心して治療を受けられる。また、脂肪の採取も、TOPs細胞の投与も短時間で終了し、入院や通院の必要がない点も大きなメリットだ。
お茶の水セルクリニック
住所:東京都千代田区神田駿河台4-1-1 ウエルトンビル2F
TEL:0120-230-189
営業時間:9:00~17:00
休診日:土曜(第2・4・5)・日曜
料金:幹細胞治療(片膝)¥660,000~
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