2024年シーズンはザンダー・シャウフェレにとってゴルフ人生におけるターニングポイントになるだろう。5月の全米プロゴルフ選手権で悲願のメジャー初優勝を手にすると、7月の全英オープンも制してメジャー2勝目。2つのメジャーを同一年に制したのはタイガー・ウッズ、ローリー・マキロイ、ブルックス・ケプカに次いで4人目の快挙となった。そんなシャウフェレが、デサントゴルフが主催する日本でのグローバルイベントに出演。CGを駆使したトークイベントでは、今季のプレーを見ながら解説する模様が日本のみならず、韓国にも配信された。また、中国からは直接会場まで足を運んだ方も!
日本と縁が深いシャウフェレ
ご存知の人も多いだろうがシャウフェレは日本と縁が深い。母親は台湾生まれの日本育ちで、祖父母は今も都内在住だ。シャウフェレ自身もこれまで何度も日本を訪れたことがあり、日本でプレーすることに特別な意味があるとのことだ。
「9歳頃から渋谷にいる祖父母に会いに来ている、日本は特別な場所です。祖父母にプレーする姿を見せることはとても嬉しく思っています。また、日本のファンは情熱的だと感じています。おそらく野球が1番の人気スポーツだとは思いますが、それに近しい人気なのがゴルフなのではと思っています。私が初めて日本でプレーしたのが2019年のZOZOチャンピオンシップだったと思いますが、タイガー・ウッズ選手らも出場していましたが、ものすごい数のギャラリーが詰めかけていて信じられないほどの熱量を覚えています」
メジャーで勝つには技術はもちろんのこと、精神的な強さや運も必要とされる。すべてが揃わなければ勝てないメジャーを1年に2度も制した影には、想像を絶する努力があったことは言うまでもない。加えて、シャウフェレは勝つために必要な運を呼び込む2つの準備をしていた。
1964年の24セント硬貨
1つは米国式に言えばルーティン、日本式に言えば『ゲンを担ぐ』という表現になるのだろうか、シャウフェレは常にお守りのようなラッキーアイテムを常備している。
「勝つために運は非常に大事なものだと考えています。父の教えでもありますが、そもそも運を勝ち取るためには、まずは努力が必要。その上で、運を手にできるチャンスを作ること自体が重要です。私は縁起を担ぐという意味で、父の生まれ年にあたる1964年のアメリカの24セント硬貨をマーカーとして使っています」
今季から着用するデサントゴルフのウェア
もう一つの準備がウェアだ。シャウフェレが今シーズンから着用しているのはデサントゴルフ。新しいウェアにチェンジすることは、プロにとってクラブやボールを替えるのと同じくらいチャレンジングなこと。だが、着用してからメジャー2勝を挙げ、今やシャウフェレにとって、デサントゴルフのウェアも大きな運を呼び込むラッキーアイテムになっている。
「もともとスキーのウェアで有名なブランドなので品質的にも信頼できると思っていました。私にとって最も重要なことはパフォーマンスを十分に担保できるかということ。ストレスが多い猛暑でも、あるいは寒い気候でもアパレルに支えられる部分は大きいです。気候や条件がまったく異なる2つのメジャーで勝つことができた要因の一つに、デサントゴルフのウェアがあることは間違いありません」
楽をして成功することなどあり得ない。シャウフェレは成功の秘訣を「人生をかけてトレーニングすることに尽きる」と話す。何かを極めるにはそれなりの時間が必要になるし、失敗することももちろんある。ただ、その失敗を成功に繋げるためにトレーニングをやり続けることを何よりも大事にしている。
ゴルファーとして最高に成功できたのは、絶え間ない努力と運を呼び込む準備。シャウフェレにとって、年間メジャー2勝はまだまだ通過点に過ぎない。