今回は飛距離アップのスイングについて。連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】。
バーコレクターからの脱却に期待
2022年、PGAツアーのルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞したキャメロン・ヤングは、ツアー屈指の飛ばし屋として知られる。2022-23年シーズンは全選手中7位の平均飛距離315.7ヤードを記録した。
ヤングの父親のデビッドはニューヨーク郊外にあるスリーピーホロウカントリークラブのヘッドプロで、ヤングは幼いころから父親の指導を受けてきた。
学生ゴルフの名門ウェイクフォレスト大学時代には数々の実績を残してきたが、プロ転向後は決して順調とは言えず、PGAツアー下部のコーンフェリーツアーやPGAツアーラテンアメリカの予選会をなかなか通過できなかった。
2020年3月にようやくPGAツアーカナダの予選会をトップで通過したものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でツアーは中止となってしまった。
しかし、2020-21年シーズンのコーンフェリーツアーで2週連続優勝を飾るなどして、ようやくPGAツアー昇格を果たした。
2022年は全英オープンの2位を含む5度の2位を記録し、いつ優勝カップを手にしてもおかしくないと思われた。
初優勝を目指した2023年は、トップ10に5回入ったものの、2位となったのはサウジアラビアで行われたアジアンツアー・PIFサウジインターナショナルと、WGCデルテクノロジーズ・マッチプレーの2回だけとやや成績が下降気味なのが気になる。
スタッツを見てみると、2022年はストロークゲインド・パッティングのスタッツランキングが68位だったが、2023年は158位と平均を下回る数値となっており、パッティングの安定性に課題が残るシーズンとなった。
2024年はPGAツアー3年目ということもあり、そろそろシルバーコレクターを返上して、ツアー初優勝をつかみたいところだろう。
一つ勝って自信をつければ、一気に勝ち星を重ねてもおかしくない実力の持ち主。来シーズンの飛躍に期待したい。
腰の回転と腕のローテーションを意識する
ヤングと直接話す機会があり、ボールを遠くに飛ばすコツを尋ねたことがあるが、そのときに彼は2つのポイントを挙げた。
一つは体の回転のスピード。もう一つは腕のローテーションだ。
体の回転のスピードを上げれば、それに比例してスイングスピードも上がりやすくなる。ヤングは体を早く回転させるために、インパクトでおへそが目標を向くイメージをもって、素早く腰を回転させることに気を付けていると語っていた。
体の回転というと、肩を回そうとする人がいるが、体の中心に近い腰の回転のスピードを上げることで、体を速く回すことが可能になる。ダウンスイングで腰を回転させることで、その後に下りてくる腕とクラブが加速して飛距離を伸ばすことができるのだ。
腕のローテーションに関しては、手首を意識的に返して腕をひねるわけではなく、手首の角度をほどきながら腕を回旋させるようにする。この腕と手首の動きによって、クラブヘッドがリリースされてヘッドスピードを上げることができる。
ボールをサイドスローで投げるときに、自然と腕が回旋して手首の角度が解放されるが、ゴルフにおける腕のローテンションも同様のイメージだ。ダウンスイング後半から右腕が内旋し、左腕が外旋することでヘッドを走らせることができる。
飛距離に悩んでいる人は、体の回転と腕のローテーションヘッドを取り入れて飛距離アップを目指してみてほしい。
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■連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】とは
世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。