今回はミドルパットについて。連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】とは……
ミドルパットの攻略法
約5メートルのミドルパットを打つとき、あなたは何を考えるだろうか。「5メートルなら1パットで沈めよう」などと積極的にカップインを狙うのもいいが、技術がともなわなければ大きなミスにつながることがある。実際に、アマチュアゴルファーが5メートルの距離から3パットや4パットしたシーンを何度も目にしたことがある。
意外に思うかもしれないが、PGAツアー選手でも5メートルのパットを1回で入れる成功率は20%ほどだ。アマチュアゴルファーなら、10回に1回入れればいいところだろう。このデータが信じられない人は、練習グリーンで5メートルのパットがどの程度入るか試してみてほしい。
仮に練習で10回に1度くらいしか入らないようなら、実際のラウンドでのカップインはほぼ望めないといってもいいだろう。無理に5メートルの距離を決めようと意気込むと、左右のボールの曲がりに気を取られて距離感を忘れがちになる。強気に狙いにいって大きくオーバーしたり、方向性に気を取られて手前でショートしてしまうといったことが起きやすくなる。
では、アマチュアゴルファーが5メートルくらいのミドルパットをどのように狙うのがいいかというと「確実に2パットで入れよう」と考えるのが最も確実だ。カップを中心としてパター1本分くらいの半径の円の内側にファーストパットを収めるようにすれば、2パットでホールアウトできる確率は高まる。
タッチを合わせてカップの先の半円内に止めるようにすれば、カップインする可能性もある。1パットでカップインさせることよりも、確実に2パットでホールアウトするように心がけることでスコアをまとめることができるようになるのだ。
1パット圏内に止めることを考える
5メートルの距離を2パットで入れようと考えたとき、大事なのはカップまでの左右の曲がりではなく、縦の距離を合わせることだ。カップを中心としたワンパット圏内のサークル内にボールを止められるよう距離感を合わせよう。
距離感を合わせるために、ボールを打つ前に素振りを行ってみてほしい。ボールの後ろに立って目標と正対したら、ターゲットに対して2、3度素振りをしてみる。人間には目から入った情報を手に伝える機能「ハンドアイコーディネーション」が備わっているので、目標を見ながら素振りを行うことによって、目からの情報が手に伝わって適切な振り幅を調整することができるのだ。
また、素振りをする際に、ボールの転がりをイメージすることも大事なポイントだ。グリーンの上り下りを把握したうえで、ボールがどのくらいのスピードで転がり、どのあたりで止まるのかを鮮明にイメージすることで、適切な振り幅を決めることができる。
ミドルパットを打つ際は、スライスラインかフックラインかなどと考える前に、距離感を合わせるようにしてほしい。そうすれば、難なく2パットでホールアウトすることができるようになり、スコアがまとまるはずだ。
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連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】とは……
世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。