「アプローチ&パターで20打縮める」をテーマに、鈴木愛らツアープロのコーチも行う達人・南秀樹のゴルフ術を披露する、連載コラム「20打縮める!南秀樹流ショートゲームレッスン」Vol.1。アプローチ編1回目は、グリップ。
【南秀樹流アプローチ編1.グリップの握り方】
パッティングを含めたグリーン周りのショートゲーム力をアップさせることは、スコアアップの最短距離を辿ることになります。パッティングとアプローチの自信を深めることはショットに好影響を及ぼします。また、技術的にもアプローチはショットにつながるため、ゴルフスイングの基礎として正しい動きをマスターしておくべきなのです。そうすれば、アマチュアゴルファーにとって、20打を縮めることも夢ではありません。
アプローチのミスと言えばダフリ&トップです。わかっていても出てしまうこれらのミスの原因はグリップの握り方にあります。グリップは体とクラブを結ぶ唯一の接点。そこで間違ってしまうとダフリ&トップは高い確率で出てしまいます。
基本的にはショットと同じように握りますが、注意して欲しいのは右手の握り方です。グリップに対して少し上から手の平を被せるように握ります。右手の甲が若干上を向くような握り方です。
最もダメな右手の握り方はグリップの下から握ることです。右手甲が下を向いてしまうな握り方です。
右手を下から握ってしまうと、ヘッドが下に垂れやすくなるので、それがダフリ&トップの原因になるわけです。
多くの人はアプローチでSWやAWを使うと思いますが、ボールが上がりやすく、長さが短いので簡単なクラブだと思っていませんか? そこに落とし穴があります。実はその逆でSWやAWはヘッドの重さが14本のクラブの中(パターは例外有り)で最も重いため、正しくグリップしなければ、ヘッドの動きを思い通りに操作することができません。
ダフリ&トップの原因は、ダウンスイングでヘッドが下に垂れてしまうことです。そうならないために、常に左手よりも右手が上にあるイメージでスイングしなければならないのです。ヘッドを下に垂れないように振ってこそ、ヘッドの動きをしっかりコントロールできるわけです。
また、ウェッジのリーディングエッジ(刃)が刺さるミスがありますが、これも右手を上から握れていないから起こるミスです。
ウェッジのソールとバンスに関しては改めて詳しく説明したいと思いますが、右手を下から握るとソールとバンスが使えなくなります。言い換えれば、右手を上からきっちり握ることができていれば、ソールとバンスを使うことができるため、刃が刺さらずヘッドの抜けが良くなるということです。
ダフリ&トップの原因を打ち方だと思い込み、あれこれと試す前にまずは練習場でクラブの握り方を見直してみてはいかがでしょうか。
↓
南秀樹
1974年香川県生まれ。プロゴルファーである父の影響でゴルフをはじめ、独自の理論を構築。道具(クラブ)を使うことを主とする指導法は高い評価を得ている。また、幼少の頃から鈴木愛プロを指導してきたことは有名な話で、今季から正式にコーチとして契約。木村彩子、岡山絵里ら、ツアーで活躍する多くのプロゴルファーをサポートしている。「南秀樹=パッティング」というイメージが強くついたが、実は最も得意とするのはアプローチだ。その技術力はジュニア時代から指導を受けてきた鈴木愛も認めるところ。
連載コラム「20打縮める!南秀樹流ショートゲームゴルフレッスン」
【アプローチレッスン編】
1:グリップの握り方
2:アドレス
3:スタンス
4:アプローチ名人の共通点(距離感の出し方)
5:正しいウェッジの選び方(ソールとバンスの関係性)
6:リズムとテンポの違い
7:状況別判断(クラブのチョイスの仕方)
8:状況別テクニック(ライ別の打ち方)
9:ラフからのアプローチ術
10:現代の主流は高さで止めるアプローチ