GOLF

2022.03.28

今一度、正しい構え方を復習する──連載「吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン」

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎。顧客の多くが国内外のエグゼクティブ、有名企業の経営者という彼による、スコアも所作も洗練させるための“技術”と“知識”を伝授する最新ゴルフレッスンコラムをまとめて振り返る。ゴルフシーズン到来に向け、コソ練を積み重ねてスコアアップを目指したい。

ゴルフの勘違い! バックスイングで身体はねじらない【動画】

ゴルフスイング中の体の動きには、さまざまな表現の仕方がある。伝える側がそれぞれの感覚で語る場合、本来の体の機能とは違った表現になっていることがある。

スイング中の体の回転において、「体をねじる」という表現は少し誤解を生みやすい。バックスイングで上半身と下半身の捻転差をつくるために、下半身をがっちり固めて上半身をねじり上げる人がいるが、このような動作では胴体部分にストレスがかかり苦しい。この動きによって頑張っている感じが出て、飛距離が出そうだと感じるかもしれないが、効率的な動きとは言えない。

実際には苦しい思いをしてギリギリと体をねじり上げても、回転スピードは上がらないし、飛距離も出ない。むしろ、腰にストレスをかけて痛めてしまう可能性がある。ゴルフスイング研究の第一人者、ヤン・フー・クォン教授は、「人間はゴムではないので、ねじった体を解放しても速く体が回転するわけではない」と語っている。

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膝は曲げない! パッティングはアドレスが9割、3つの基本

ショットの場合、アドレスを見ればゴルファーの腕前がわかると言われるが、パッティングでもアドレスを見ただけでどのレベルかがわかる。パッティングが上手な人はアドレスの姿が美しく、いかにも入りそうな雰囲気を漂わせている。タイガー・ウッズなどパッティングの名手たちは、腰から前傾してスッと立ち、体と腕が一体化させた状態でストロークをしている。

それとは逆に、膝が大きく曲がっているアドレスは上手そうに見えないし、機能的にも良くない。このような構えをしている人は下半身を安定させようと膝を曲げて腰を落としていると思うが、膝を曲げることで骨盤を前傾させることができず、十分な前傾姿勢が取れなくなる。そのため、適切な体の回転を行うことが難しくなり、手打ちのパッティングとなってしまう。PGAツアー選手のように肩を縦回転させる振り子型ストロークをするには、膝はほとんど曲げずに骨盤から前傾し、十分な前傾角度を確保する必要がある。

前傾角度を確保し、バランスが良いパッティングアドレスをつくるためには、適切な手順でアドレスをすることが大事になる。まず、パターを持たずに膝を伸ばし、手を太ももにおいた状態から徐々に腰からお辞儀をするように前傾角度を深めていく。手が膝の上部に触れたら、腕をダランと下げて、その位置でパターを握ろう。この手順を行う際に気を付けてほしいのは、膝を曲げてから前傾しようとしないことだ。膝は最後に緩める程度にして、曲げる意識は持たなくていい。

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ボールが高く上がって距離が出ない、を解消する方法

ゴルファーは様々な悩みを抱えているものだが、3年ほど前にアイアンショットで、必要以上にボールが高く上がってしまう悩みを抱えているシングルプレーヤーが訪れてきたことがある。特にショートアイアンでボールが高く上がりすぎてしまうため、250ヤード飛ぶドライバーショットに比べ、ピッチングウェッジは95ヤードと飛距離が出なかった。また、ボールが高いため風の影響を受けやすく、強風の日はスコアを崩していた。本人は「ボールが上がりすぎる原因が分からない」と困っていたが、その原因は「アーリーリリース」にあった。ダウンスイングでクラブと腕にできる角度である「タメ」が早く解けて、インパクト前にクラブと腕が「くの字」になってしまう状態をアーリーリリースという。その結果、すくい打ちのような状態となってクラブにロフトがつきすぎてしまい、ボールが必要以上に上がってしまう。ボールが上がりすぎるだけではなく、スイング軌道の最下点が手前になるので、ダフリやトップなどの打点のミスもでやすい。

このようにタメがほどけてしまうアーリーリリースの原因は主に右サイドにある。切り返しで右手でボールを打ちにいこうとしたり、右手でボールを上げようとする動きによってタメがほどけてしまうケースが多く、初級者だけでなく上級者にも少なくない。

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TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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