GOLF

2022.03.14

オーバースイングに注意! 弱点攻略法──連載「吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン」

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎。顧客の多くが国内外のエグゼクティブ、有名企業の経営者という彼による、スコアも所作も洗練させるための“技術”と“知識”を伝授する最新ゴルフレッスンコラムをまとめて振り返る。まだまだ厳しい寒さが続くが、ゴルフシーズン到来に向け、コソ練を積み重ねてスコアアップを目指したい。

脱3パット! 大きなテークバックに気をつけて【ゴルフレッスン】

先日、スコア90くらいのアマチュア男性のラウンドレッスンを行った。ショットはまずまず良かったのだが、パッティングがもったいなかった。ミドルパットが毎回大きくオーバーしていて、3パットを繰り返していたのだ。その原因は、彼の大きすぎるテークバック「パッティングのオーバースイング」にあった。

あるホールでは、5メートルの距離から、まるで10メートルでも打つかのような大きなテークバックをとって打ち、3メートルほどオーバーしてしまった。そして、返しの3メートルでも、同じく大きなバックスイングをとるのだが、先ほどのオーバーを警戒し、距離を合わせるため減速しながらインパクトをした。その結果、インパクトが緩んでしまい、ボールをしっかり打てずショートしてしまった。このような距離感のミスを繰り返し、3パットを重ねてしまっていたのだ。

そこで、彼にテークバックが大きい「オーバースイング」の状態になっていることを伝え、テークバックを小さくするようアドバイスした。ところが、数ホールたってもテークバックが小さくならず、相変わらずパターを大きく後ろに引いている。本人に「テークバックを小さく上げることを意識していますか?」と聞いてみたが、自分では小さくしているつもりなのだという。テークバックを小さくできない原因は、今までの大きなテークバックに慣れてしまって変えられないということもあるが、テークバックを小さくするとボールが転がらないように感じて、無意識に今までと同じオーバースイングになってしまうということもある。

パッティングのテークバックが大きい人は、インパクトでパターヘッドを減速させて距離の調整を行う傾向がある。大きなテークバックからヘッドを加速すればオーバーするのは明らかなため、パターヘッドを減速しながら距離感を調整するのだ。単純にテークバックを小さくすれば、今まで通りパターを減速させてボールを打つため、ボールは転がらなくなる。そのため、ボールがカップに届かないように感じ、いつもと同じように大きく上げてしまう。このようなインパクトで減速するクセは距離感が合わないだけではなく、軌道が不安定になるため方向性を損ねる。

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スライスを克服した後に、ヒッカケが出始めた時にすべきこと【ゴルフレッスン】

先日、2、3年前からレッスンをしているアマチュアCさんに、半年ぶりにラウンドレッスンを行った。彼は元々スライサーで、左に飛びだしたボールが大きく右に曲がっていくタイプだった。しかし、本人の練習やレッスンによって、インパクトでフェースを閉じて「ボールをつかまえる」ことができるようになり、スイング軌道もダウンスイングでインサイドからクラブを下ろすことができるようなっていた。その結果、調子がいいときはきれいなドローボールを打てるようになっていた。

彼にとって半年ぶりのゴルフだったため、ラウンド序盤はスライスが出ており、それを修正するためフェースを閉じてインパクトすることに気を付けてラウンドしていたのだが、今度はボールが左に曲がるミスが続いた。ドライバーではそれほどミスが目立たないのだが、アイアンを握ると左に飛び出して大きく左に曲がってしまうプルフックのミスが続いてしまっていた。

実は、こうした左へ曲がるミスはスライスを克服する過程ではよくあることだ。スライサーはフェースを閉じてインパクトすることができるようになると、ボールがドロー回転をする「つかまった」ボールが打てるようになる。だが、スイングの軌道が今までと同じアウトサイド・インになっていると、左にボールが出て左に曲がるプルフックになる。Cさんの場合、久しぶりのラウンドでスイング軌道が元のアウトサイド・イン軌道に戻ってしまっていたことが左に大きく曲がるプルフックの原因だった。

アウトサイド・イン軌道を修正するため、私はCさんにボールを右に打ち出すイメージで打つようにアドバイスをした。アドレスは目標に対してスクエアに構えるが、ボールの打ち出し方向は30ヤードほど右を狙ってもらい、その方向へボールを飛ばす感覚でスイングしてもらった。また、打つ前の素振りではクラブを右方向へ放り投げるように、ダウンスイングからフォロースルーでクラブヘッドをリリースしてもらった。このような動きを行うことで、内から外へ振るインサイド・アウト軌道になり、打ち出しのボールは右に出るようになった。

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“シャフトをしならせてヘッドを走らせる”感覚が身につく! タオルを使った自宅練習法

今年の冬は寒いうえに、気軽に外に出ることもできないため、ゴルフ場や練習場に行くことをためらう人も多いだろう。今回は自宅にいる機会が多い人向けに、自宅でもできるタオルを使った練習をご紹介したい。

ゴルフ場や練習場以外でクラブを振る場合、かなり周囲に気をつけなければいけないが、柔らかいタオルを使えばリビングやベランダなど場所を選ばずに練習をすることができる。テレワークをしている人には、ゴルフの練習というだけでなく、休憩中の軽い運動として気分転換やストレス解消にもなるだろう。

用意する物はタオル1本のみ。バスタオルくらいの長さのタオルを見つけたら、タオルの片方の先を結んで玉を作る。アドレスでタオルの先端部分が、地面に軽く触れるくらいの長さに調整する。玉になった部分を下にして両手でタオルを持ち、素振りをすれば正しいスイングの感覚を身に付けることができる。

タオル素振りを行う前は「こんな簡単なことだけでいいのか」と思うかもしれないが、意外にうまくいかない人が多い。クラブと違いタオルは柔らかいので、「シャフトをしならせてヘッドを走らせる」ことができないと効率的にスイングをすることができない。タオル素振りは、効率的なスイングができているかチェックしつつ、スイングの感覚を養うことができる優れた練習なのだ。

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TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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