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GOLF

2020.12.25

スライスを克服した後に、ヒッカケが出始めた時にすべきこと【ゴルフレッスン】

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム123回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

フックボールに悩む元スライサー

先日、2、3年前からレッスンをしているアマチュアCさんに、半年ぶりにラウンドレッスンを行った。彼は元々スライサーで、左に飛びだしたボールが大きく右に曲がっていくタイプだった。しかし、本人の練習やレッスンによって、インパクトでフェースを閉じて「ボールをつかまえる」ことができるようになり、スイング軌道もダウンスイングでインサイドからクラブを下ろすことができるようなっていた。その結果、調子がいいときはきれいなドローボールを打てるようになっていた。

彼にとって半年ぶりのゴルフだったため、ラウンド序盤はスライスが出ており、それを修正するためフェースを閉じてインパクトすることに気を付けてラウンドしていたのだが、今度はボールが左に曲がるミスが続いた。ドライバーではそれほどミスが目立たないのだが、アイアンを握ると左に飛び出して大きく左に曲がってしまうプルフックのミスが続いてしまっていた。

右に打ち出す感覚を持つ

実は、こうした左へ曲がるミスはスライスを克服する過程ではよくあることだ。スライサーはフェースを閉じてインパクトすることができるようになると、ボールがドロー回転をする「つかまった」ボールが打てるようになる。だが、スイングの軌道が今までと同じアウトサイド・インになっていると、左にボールが出て左に曲がるプルフックになる。Cさんの場合、久しぶりのラウンドでスイング軌道が元のアウトサイド・イン軌道に戻ってしまっていたことが左に大きく曲がるプルフックの原因だった。

アウトサイド・イン軌道を修正するため、私はCさんにボールを右に打ち出すイメージで打つようにアドバイスをした。アドレスは目標に対してスクエアに構えるが、ボールの打ち出し方向は30ヤードほど右を狙ってもらい、その方向へボールを飛ばす感覚でスイングしてもらった。また、打つ前の素振りではクラブを右方向へ放り投げるように、ダウンスイングからフォロースルーでクラブヘッドをリリースしてもらった。このような動きを行うことで、内から外へ振るインサイド・アウト軌道になり、打ち出しのボールは右に出るようになった。

アドバイスをした後、Cさんは素振りと目標の右を狙って振り抜くことを続け、スイング軌道は修正されていったが、ボールの打ち出し方向がかなり右に出るようになったので、狙いを徐々にストレートに変えてもらった。

元々カットスライサーだった人の場合、アウトサイド・インのスイング軌道が解消されれば、ボールが左に出て左に曲がるミスはなくなるはずだ。ただし、彼の場合はフェースを閉じて、しっかりボールを捉えることができるため、スイングの軌道を修正するだけで良いボールが出た。インパクトでフェースが開いてしまうカットスライサーは、スイングの軌道を直すだけでいいボールが打てるようになるとは限らない。インサイド・アウト軌道でフェースが開いていれば、プッシュスライスに悩まされるかもしれないので、まずはしっかりボールが「つかまった」状態になってから軌道の修正を行ってみてほしい。

世の中にはスライスを克服するために多くのアドバイスが存在しているが、スライスを克服する過程では様々な障害が待ち受けている。一つ動きを直せば、それに付随して他にも修正が必要な動きが出てくる。今回Cさんの例をご紹介したように、カットスライサーはフェースを閉じることができるようになったら、軌道を修正することをセットに行ってほしい。そうすれば力強いドローボールを打てるようになるだろう。

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吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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