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FASHION

2024.01.16

4800万円で重要無形文化財を纏う! 「220 亀甲 結城紬」の反物

ただ高ければいいというワケではない。最上級と呼ばれるものには、それ相応の理由がある。ゲーテが選んだベスト・オブ・ベスト 最上級コレクション。今回は銀座もとじの「220亀甲 結城紬(ゆうきつむぎ) 広幅着尺」。【特集 最上級主義2024】

「220 亀甲 結城紬」の反物
反物に貼りつけられた登録商標のイラストにも描かれているとおり、結城紬は糸を撚らずに繭から直接手で紡ぎ、その糸で経緯を織り上げていくことから、柔らかくて軽くふっくらとした風合いに仕上がる。この反物をどのように使い、どのような着物を仕立てるのか、並外れたセンスと度胸が(?)試される。¥48,000,000(結城紬)

現代では再現不可能な、買える重要無形文化財

顧客はもちろんのこと、作家や職人たちからも絶大な信頼を置かれている呉服店の「銀座もとじ 男のきもの」には、失われつつある伝統工芸の粋を集めた貴重な作品が揃う。そのなかでも群を抜いているのが、重要無形文化財に指定されている野村半平作の「220 亀甲 結城紬」の反物だ。

220亀甲とは、一反の幅40㎝のなかに220個もの亀甲絣がすりが並んでいることをいい、これを実現するためには、現代では再現不可能な超極細の絹糸と、それを手作業で織り進めていく、途方もない職人技が必要になる。この反物には4800万円という値がついているが、その価値は現代の金銭感覚で単純に計算できるものではない。

何よりも驚愕させられるのは、この反物が冠婚葬祭のようなフォーマルな場に向いたものではなく、カジュアルな普段着用の生地であるということだ。重要無形文化財をカジュアルに着こなせるような度胸となると、並大抵の鍛錬では身につけることはできないだろう。

問い合わせ
銀座もとじ 男のきもの TEL:03-3538-7878

【特集 最上級主義2024】

この記事はGOETHE 2024年2月号「総力特集:最上級主義 2024」に掲載。▶︎▶︎購入はこちら ▶︎▶︎特集のみ購入(¥499)はこちら

TEXT=佐野慎悟

PHOTOGRAPH=宇田川淳

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