国内外に豪華クルーズは数多あるが、何をポイントに客船を選べばよいのか。それぞれの船の魅力を語るキーワードをヒントに今乗るべき豪華客船を紹介する。今回は、“アート”をキーワードに「飛鳥Ⅲ」をご案内。【特集 クルーズ&列車の旅】

ダイナミックな日本のアートに囲まれ、美食を嗜む
日本のクルーズ文化を牽引してきた、飛鳥クルーズの和のおもてなしを次世代へつなぐ新造客船、「飛鳥Ⅲ」がこの夏ついにデビューを果たす。
全室プライベートバルコニーつきの客室はペントハウス、スイート、バルコニーの3クラス。ダイニングはフレンチや割烹など6施設を揃え、バラエティ豊かなエンタテインメントやウェルネスプログラムもラインナップ。さらにドレスコードは気兼ねのないエレガントカジュアルとされ、ゲストひとりひとりが自分のスタイルで、自由に、そして豊かに洋上の時間を満喫できるよう心配りされている。
特に注目したいのが、日本が誇る著名なアーティストによる美術品や工芸作品を船内各所に展示した多彩な空間演出だ。まず、船体に刻まれる「飛鳥Ⅲ」の文字は世界に知られた書家、矢萩春恵氏が揮毫。3層吹き抜けのメインアトリウムには人間国宝である漆芸家、室瀬和美氏の壮大な作品が堂々と鎮座する。
岩絵具やコラージュなど、多彩な技法を駆使する日本画家、平松礼二氏は「飛鳥Ⅲ」のために36点もの作品を制作(展示は21点の予定)。シグネチャーレストラン「ノブレス」ではその数々を眺めながら美味なるフレンチを味わうことができる。イタリアンレストラン「アルマーレ」や「ギャラリーカフェ」には、千住博氏による作品が、「アンカーバー」に行けば岩田壮平氏の作品が、とそのアートコレクションは枚挙にいとまがない。この特別な空間にいると、五感が研ぎ澄まされることだろう。
船内のいたる所で日本が誇るアーティストの作品を堪能しながら、パーソナライズされたクルーズライフをゆったり楽しむという贅沢。それが、「飛鳥Ⅲ」が与えてくれる“最幸の時間”なのだ。
この記事はGOETHE 2025年7月号「総力特集:豪華クルーズ船&列車の旅」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら