ファッション界の鬼才、キム・ジョーンズが、ディオール(DIOR)のメンズ アーティスティック ディレクターに就任してから5年目を迎えた。現地時間2023年6月22日に発表された2024年春夏メンズコレクションのショーでは、サプライズ演出で会場を沸かせ、歴代のクリエイティブ ディレクターたちにオマージュを捧げたコレクションを見せた。#最新メンズコレクションはこちら
ファッション界の鬼才、キム・ジョーンズ5周年のメンズコレクション
2024春夏のパリ・ファッションウィークで、一番ド肝を抜かれたのはなんと言ってもディオールだ。
コレクション会場自体を建設したショーは、たしかに今までも見たことはあるが、床から人が出てくるなんてあり!?
と、ショーが始まった瞬間、おそらく多くのランウェイをよく見てきたであろう世界中のジャーナリストたちも揃って、全員から盛大なオベーションを送った。
大胆な想像を超える演出とは裏腹に、洋服に関してはさすが、細かなところまで作り込まれている。
ツイードに「カナージュ」があしらわれたり、「カボション」ジュエリーがあしらわれたルックもあり、早く近くでじっくりと見たいと思わせてくれるコレクションの数々。
さまざまな時代と歴代のクリエイティブ ディレクターのクリエイションを通じて、イヴ・サン=ローランやジャンフランコ・フェレ、マルク・ボアンが生み出したシルエットにオマージュを捧げ、再解釈したのが今回のコレクションだ。
これを聞くと、いかにも豪華絢爛な時代の洋服なのでは、と思ってしまうところを、軽やかで遊び心のある現代的な洋服に仕上げてしまうのが、さすがはキム・ジョーンズ! と言いたくなってしまう。
ディオールの職人技が際立つ洋服なのに、どこか気楽さを感じさせるセンス。
伝統の破壊とはよく聞く言葉だが、決して破壊ではなく、「伝統との対話」。
5年間、ディオールのアーティスティック ディレクターを続けてきた彼だが、時代やスタイルを超越した今回のコレクションはますますキム・ジョーンズらしさを感じてしまった。
このすごさを理解したうえで、さらっと2024年春夏のディオールを着こなしている人がいたら、カッコよすぎなのでは?