連載「I Don’t WEAR Jewelry. I WEAR Art」。今回は、I Don’t Like Mondays.のYUが魅せる、クラシックとコンテンポラリーの融合をパールを通して表現する「タサキ」。
シリーズ新作から見える、パールの無限の可能性
昨今ジュエリー界で注目を集めるパール。かつての印象はフォーマル、というより日本では冠婚葬祭といった印象が強く、華やかとは縁遠い存在だった。しかし、メンズパールなるスタイルも定着した今、パールは一転してコンテンポラリーなジュエリーに。
タサキが今シーズン提案する新作は、その急先鋒となる。あこや真珠をシンプルに連ねたネックレスと重ねづけするのは「デインジャー」。自然界の造形美に着想を得るシリーズで、今回はパールの合間にあしらわれたイエローゴールドで牙やサソリをモチーフに表現した。パールのミルキーで品良い輝きとの組み合わせは言うなればギャップだが、しかし意外にも親和する。
微細なるデザインが、パールの常識を一変させる
「デインジャー」シリーズは自然界の造形から着想を得るだけあり、実にさまざまなアプローチがある。パールにつく無数のトゲが爬虫類を想起させる「デインジャー スパイク」、トゲのついたパールを並べ食虫植物を表現した「デインジャー トライブ」、そしてトゲつきパールをカーブするゴールドバーと組み合わせた「デインジャー プラス」。コンセプトは同じくしながら、時に攻撃的に、時にエレガントにと多様な顔を見せる。
そんな「デインジャー」とは打って変わり、リングは直線と球体による実に規則的な造形から成る。その名も「バランス」。一見シンプルだが、色や輝き、そして大きさが美しく揃っているからこそ完璧なバランスが描けるのだ。高品質のあこや真珠を長年扱ってきた、タサキこそのジュエリーといえる。
■連載「I Don’t WEAR Jewelry. I WEAR Art」とは……
時にファッションとして、時にシンボルとして、またはアートに……。ジュエリーを身につける理由は、実にさまざまだ。だが、そのどれもがアイデンティティの表明であり、身につけた日々は、つまり人生の足跡。そんな価値あるジュエリーを紹介する。