連載「I Don’t WEAR Jewelry. I WEAR Art」。今回は、ジュエリーデザインとは、実にドラマチックであることを教えてくれるダミアーニ。
デザインとは、ストーリーでありエモーションである
イタリア発のダミアーニが創業したのは1924年。ジュエリーデザインにおいて世界的な権威があるダイヤモンド・インターナショナル・アワードを、実に18回も受賞してきた名門だ。
これまで受賞したジュエリーには、それぞれ印象的な名前がつけられている。火山を意味する「ヴルカーノ」、抱擁を意味する「カレッセ」、アダムとイブに着想を得た「エデン」。どれもがドラマチックなバックストーリーを想起させるデザインとなっている。
パリの繁栄を意味する代表作の「ベル エポック」も、まさに。そしてこのたび、「ベル エポック」から新たなコレクションが誕生した。
郷愁的にして今を感じさせる、時間が交錯するデザイン
「ベル エポック」から登場した新たなコレクションは、さまざまな芸術や文化が花開いた20世紀初頭のヨーロッパにインスピレーションを得た。シンボリックなクロスデザインをはじめ、フランス語で華やかなりし時代を指すその名のとおり、華やかさを存分に表現している。
その世界観の根幹となっているのは、映画の世界。このたび登場した新コレクション「ベル エポック・リール」は、それをより堪能させてくれる。リールとは、フィルムの巻き枠のこと。ラウンドとレクタングルを組み合わせた連続するモチーフにその姿を想像させるも、ジオメトリックな形状はデジタル的でもあるのが面白い。実際、リングでは、このモチーフが回転する様子を楽しむことができる。
写真はホワイトゴールド、そしてホワイトゴールド×ダイヤモンド。その永遠の輝きは、まさに銀幕の如く。ノスタルジーとモダニズムが交錯するそのデザインに、よき時代を思い描く。
■連載「I Don’t WEAR Jewelry. I WEAR Art」とは……
時にファッションとして、時にシンボルとして、またはアートに……。ジュエリーを身につける理由は、実にさまざまだ。だが、そのどれもがアイデンティティの表明であり、身につけた日々は、つまり人生の足跡。そんな価値あるジュエリーを紹介する。