冬でも以前より暖かく、ライフスタイルの変化で厚手のアウターの出番が減ってきたとはいえ、コートはまだまだ冬の装いの主役だ。重厚感のあるウールコートから、軽く柔らかなカシミアコートまで、大人が着てこそ映える名品をお届けする。最旬コート、コーディネイト編。スタイリスト・野口強による連載「The character of G」。
1.ジョルジオ アルマーニ/サルトリアの職人技が光る異素材ミックスの粋を堪能
メランジグレーのセットアップに羽織った、前身頃をウールメルトン、袖と後ろ身頃をシャギーなチョークストライプ素材で切り替えたデザインコンシャスな逸品。前後異なる表情は、粋なカンバセーションピースに。
2.ゼニア/端正で美しいシルエットは、適度な厚みがあるからこそ
厚みのあるコートならではの美しいシルエットを堪能できる、ウールメルトンの比翼仕立ての1着。ミニマルなデザインがすっきりとしたラインを描いてモダンな印象を与えてくれる。
3.ザ・ロウ/“さり気ないリラックス感”がカジュアルコートの最適解
ダークグリーンの絶妙な色合いと表面感のある素材がアーティスティックな佇まいを感じさせるベルテッドコートは、足元にスニーカーを合わせた抜け感のあるスタイリングで。リラックスしたムードを強調するなら、フロントは緩く開けて着るのが正解である。
4.トム フォード/フロントの適宜な開閉で弛緩と緊張の二面性を満喫
ライダースジャケットのディテールを盛りこんだレザーとウールのハイブリッドコートは、敢えて前をきっちりと留める着こなしを推奨したい。ワイルドさが鳴りを潜めストイックさが際立つことで、スタリッシュなルックスとなり、目元の存在感も映える。
5.ディオール/日常の何気ないスタイルにモードな刺激をプラスして
肩をしっかりとセットインしたテーラードコートは、クチュールメゾンならではのディテールをアクセントに添えることで鮮度がアップ。ニットプルオーバーやスウェットパンツといったカジュアルアイテムを合わせても、シックでスマートなバランスが完成。
6.フェンディ/落ち着きのある装いに上質な遊び心をしのばせて
表側はベージュ、裏側はFFロゴのダブルフェイス生地。オーバーサイズ気味の今風なシルエットでトレンチスタイルに仕上げたリバーシブルなコート。ウールフリース素材は暖かで軽やかに着こなせるのもポイント。