時にファッションとして、時にシンボルとして、またはアートに……。ジュエリーを身につける理由は、実にさまざまだ。だが、そのどれもがアイデンティティの表明であり、身につけた日々は、つまり人生の足跡。そんな価値あるジュエリーを紹介する連載「I Don’t WEAR Jewelry. I WEAR Art」Vol.4。今回はギタリスト・MIYAVIを迎えた特別編でおくる。その存在こそがアートな男は、ジュエリーでどう魅せるのか。【過去の連載記事】
ことシンボリックなデザインにおいては、グッチこそ、その代表。ホワイトゴールドにより、まるで彫刻のような緻密さで形作られるのは、百獣の王ライオン。グッチのアニマルモチーフにおける象徴的な存在だ。その口に咥えられているオパールやダイヤモンドといった計11種もの石は、色も大きさもカットもバラバラ。つまりはアシンメトリー。見る角度によって表情を変えるそのデザインは、フォーマルにして原則には決して縛られないグッチ流タキシードにまさになじむ。そして、ステージ上で縦横無尽に表現するギタリストの姿とも。
それはもはやデザインというより、アートと呼んだほうが正しいのかもしれない。自然の造形をジュエリーに巧みに取り入れたことで知られるジュエリーデザイナー、ジャン・シュランバージェ。彼が手がけたブローチは、その名も「パリ フレーム」。つまりは、燃え上がる炎をイメージしたものとなる。18Kイエローゴールドが外炎を、プラチナが内炎を、そして無数のダイヤモンドが炎心を表す。それは、繊細にして情熱的。ギター1本の演奏で数万人の観客を沸かせる壮大な音を奏でるように。
MIYAVI
ギタリストでありロックミュージシャン、さらには俳優、モデルと、多岐に活躍する。通称サムライギタリスト。スラップ奏法による激しくエモーショナルな演奏は世界的な評価を獲得する。2022年6月17日配信シングル「Futurism」をリリース。10月31日にはソロデビュー20周年を迎える。