今、チェックしておきたい音楽をゲーテ編集部が紹介。今回は、Chevonのメジャーデビューアルバム『三者山羊』。

ライヴシーンの新鋭が飛躍を果たす
今、音楽シーンにおいて最も勢いのあるバンドがChevonだ。中性的な佇まい、バリトンボイスからハイトーンまで変幻自在の歌声を持つ谷絹茉優を中心に2021年に札幌で結成した3人組。本作『三者山羊』でメジャーデビューを果たした。フェスやライヴイベントで見せる熱量あるパフォーマンスが評判を高め、動員も急速に拡大している。2026年9月に決定した横浜アリーナ公演のチケットは即完し、年末には武道館2デイズのワンマンも決定した。新作は、結成からわずか5年でアリーナクラスに上り詰めた彼らの勢いとポテンシャルを詰めこんだ1枚だ。
「冥冥」や「銃電中」など、代表曲に特徴的なのはマキシマリズム(=過剰主義)の発想だ。情報量を詰めこみ、目まぐるしく展開する曲調で一気にレッドゾーンに到達する。興奮と熱狂を呼び覚ますバンドサウンドが最大の武器だ。さらにリード曲の「B.O.A.T.」ではKing Gnuにも通じる堂々としたスタジアムロックを展開。センチメンタルなバラードの「さよなら、アイリーン」など、幅広いソングライティングの才能も見せる。ライブの狂騒にとどまらずより広い層に届くポップスとしての可能性も感じさせる。
柴那典/Tomonori Shiba
音楽ジャーナリスト。音楽やカルチャー分野を中心に幅広く記事執筆を手がける。著書に『ヒットの崩壊』『平成のヒット曲』などがある。

