最近BLACKPINKのジェニーが50億ウォンの高級集合住宅を現金で一括購入したことが話題になった。韓国ではトップスターの不動産投資がたびたびニュースになるが、ビジネスパーソンとしてキャッチアップしておきたい。連載「ビジネスパーソンのための韓タメ最前線」とは
BLACKPINKジェニーが約5億円の不動産を現金一括購入
K-POPガールズグループBLACKPINKのジェニーが、セレブの真骨頂を見せつけた。
ソウルのセレブタウン・漢南洞(ハンナムドン)に位置する超高級マンション「La TERRASSE漢南」の一室を、なんと現金一括で購入したという。
購入価格は約50億ウォン(約5億7500万円)。2021年2月に価格の10%である5億ウォン(約5700万円)を契約金として支払い、2年5ヵ月後の2023年7月に残金を払って転入の手続きも済ませているという。
そこは共有面積含む供給面積87坪・専用面積74坪、部屋が5つ、浴室が3つもあり、とてもじゃないが27歳の普通の女性なら手が届かない物件だ。
現在は不動産価格が暴落しているとはいえ、ソウル市内のマンション売買の平均価格が10億ウォン(約1億1500万円)を超えている韓国では、多くの若者がマイホームの購入に興味がない。
「いくら頑張っても死ぬまでに買えない」と諦めているケースが多いのだ。
しかし、芸能人となれば話は変わる。20代の若さでもちゃっかりとマイホームを購入したり、不動産投資に成功しているスターたちは少なくない。
その代表格と言えるのが、『スタートアップ: 夢の扉』『イ・ドゥナ!』などに主演した歌手兼女優のペ・スジ(29歳)だ。
現在、スジが保有する不動産の相場は138億ウォン(約15億8000万円)。売却時に予想される差額利益は70億ウォン(約8億500万円)にもなると言われている。
スジは22歳だった2016年に37億ウォン(約4億2500万円)で一棟のビルを購入している。
ビルの現在の相場は80億ウォン(約9億2000万円)で、なんと43億ウォン(約4億9500万円)も値上がりしているうえに、ビルからは月に約1500万ウォン(約172万円)の家賃収入を得ているそうだ。
また、2017年に約30億9000万ウォン(約3億5000万円)で購入した超高級マンションに住んでいるが、58億ウォン(約6億6000万円)まで相場が上昇。
6年前の買値に比べると約27億ウォン(約3億円)の差額が発生する。
不動産投資でボロ儲けするトップスター夫婦
ジェニーやスジのように優れた容貌と才能、人気を駆使して富を築き、財テクに成功した若いスターたちにも人知れぬ苦労があったはずだが、実はこのようなニュースに対する世間の反応は好意的なものばかりではない。
「相対的剥奪を感じさせた」という理由で誹謗中傷をするケースもあり、「記事に出さないでほしい」と嘆く関係者もいる。
それでも不動産投資に成功した芸能人のニュースは度々流れるわけだが、とりわけよく目にするのがスター夫婦たちだ。
たとえば歌手兼俳優のRAINと女優キム・テヒは、不動産でボロ儲けした夫婦として有名だ。なにしろ月に1億ウォン(約1150万円)以上の賃貸収入を得るビルのオーナーなのだ。
2人は2021年に江南(カンナム)駅10番出口付近にあるビルを920億ウォン(約105億円)で購入。ビルの1階はここ半年近く空室状態だったが、2023年6月にビッグニュースが入った。
ニューヨーク発のハンバーガーレストラン「Shake Shack」韓国1号店の移転先として決まり、月の賃料1億ウォン(約1150万円)で契約を結んだということだった。
実は2022年10月、当該のビルを1400億ウォン(約161億1500万円)で売却しようとするも撤回している夫婦だが、終わりよければすべて良し、といったところかもしれない。
俳優イ・ビョンホンとイ・ミンジョン夫婦の不動産事情も外せない。
2人は2016年、ソウル・清潭洞(チョンダムドン)に位置するビルを合同名義で購入。買値は31億8000万ウォン(約3億6600万円)だったが、現在の買取相場は53億ウォン(約6億1000万円)に上がったという。
2019年にはロサンゼルスの住宅も購入していて、2022年8月にはイ・ビョンホンが100%の持分を所有する不動産仲介会社がソウルにあるビルを239億9000万ウォン(約27億6000万円)で購入し、月に約8500万ウォン(約978万円)の家賃収入を得ていることも報じられた。
こうしてみると「芸能人と一般人は住む世界が違う」というのも、あながち間違いとは言えなさそうだ。
■著者・李ハナ
韓国・釜山(プサン)で生まれ育ち、独学で日本語を勉強し現在に至る。『スポーツソウル日本版』の芸能班デスクなどを務め、2015年から日本語原稿で韓国エンタメの最新トレンドと底力を多数紹介。著書に『韓国ドラマで楽しくおぼえる! 役立つ韓国語読本』(共著作・双葉社)。
■連載「ビジネスパーソンのための韓タメ最前線」とは
ドラマ『愛の不時着』、映画『パラサイト』、音楽ではBTSの世界的活躍など、韓国エンタメの評価は高い。かつて「韓流」といえば女性層への影響力が強い印象だったが、今やビジネスパーソンもこの動向を見逃してはならない。本連載「ビジネスパーソンのための韓タメ最前線」では、仕事でもプライベートでも使える韓国エンタメ情報を紹介する。