韓国の人気女優が続々出演するNetflixの新作。ビジネスパーソンとしてキャッチアップしておきたい。連載「ビジネスパーソンのための韓タメ最前線」とは
『イカゲーム』注目女優の新作、早くもTOP10入り
『イカゲーム』でブレイクを果たした女優イ・ユミが主演を務める韓国ドラマ『力の強い女 カン・ナムスン』が、NetflixのTOP10入りでヒットを予感させている。
このドラマは2017年に放送された『力の強い女 ト・ボンスン』の世界観を拡大したもので、韓国ドラマには珍しく母娘三代が主人公だ。
イ・ユミのほかにも『パリの恋人』で知られるキム・ジョンウン、『賢い医師生活』『シュルプ』などに出演したベテラン女優キム・ヘスクが、超人的な怪力を誇る娘、母親、祖母を熱演している。
制作費約22億円! 『愛の不時着』監督が贈る青春ラブストーリー
ここ最近、韓国ドラマでは女優たちの活躍が目覚ましいという印象を受けるが、人気女優たちが主演するNetflix新作の配信はまだまだ続く。
まず注目すべきは2023年10月20日から配信中の『イ・ドゥナ!』(全9話)。シェアハウスで出会った平凡な大学生男子と元K-POPアイドルが恋に落ちるという青春ラブストーリーだ。ドラマタイトルにもなっている元アイドル、イ・ドゥナを演じるのは“国民の初恋”とも呼ばれるペ・スジ。
『スタートアップ:夢の扉』『アンナ』などに出演したペ・スジは、自身もガールズグループmiss Aのメンバーとして活動した経歴がある。可愛いビジュアルもそうだが、元アイドル出身という共通点もあるためか、キャストが発表された時は「ハマり役」という声も多かった。
制作費として約200億ウォン(約22億円)が投じられたという『イ・ドゥナ!』の演出は、『愛の不時着』のイ・ジョンヒョ監督が手がけた。制作も『愛の不時着』のスタジオドラゴンが担当しており、『愛の不時着』に次ぐ大ヒットが期待されている。
大ヒット作『ウ・ヨンウ』超え!?
2022年、世界的にヒットした『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の主演女優パク・ウンビンによる『無人島のディーバ』(全12話)にも要注目だ。2023年10月28日から配信予定の同作は、不運の事故で無人島に漂着し、15年間生き抜いた女性が再び世の中に出て歌姫の夢を追うというストーリー。
ウ・ヨンウを演じて“韓国版ゴールデングローブ賞”と呼ばれる「百想(ペクサン)芸術大賞」の大賞に輝いたパク・ウンビンが、今度は方言の演技や歌に挑戦する。
『ウ・ヨンウ〜』以降、「良い提案をたくさんいただいた」という彼女。なかでも『無人島のディーバ』のたくましいソ・モクハ役から力を得たくて出演を決めたという。
ペ・スジとパク・ウンビン。2011年のドラマ『ドリームハイ』で姉妹を演じた(パク・ウンビンは特別出演だった)2人の人気女優が、それぞれ韓国ドラマのヒットメーカーたちと手を組んで秋を盛り上げる。
『ムービング』ハン・ヒョジュがヤバい! 520万人を動員した映画のシーズン2
また、2023年11月17日より配信される映画『毒戦 BELIEVER 2』には、韓国時代劇『トンイ』で日本でも高い人気を誇るハン・ヒョジュが出演する。
2018年に観客動員数520万人を記録したヒット映画『毒戦 BELIEVER』の続編だが、『毒戦 BELIEVER』の途中で起きた出来事を描く韓国初のミッドクエル(前作の中間の話を描く)映画として関心が注がれている。
ハン・ヒョジュは今回、女優人生で最も強烈かつ破格のキャラを披露。前編で故キム・ジュヒョクが演じたイカれた麻薬バイヤーと同じようなポジションの役柄で、本来は男性キャラクターだった役を監督がわざわざ性別を変え、ハン・ヒョジュに出演をオファーしたという。
Disney+オリジナルシリーズ『ムービング』での母親役も好評を博したハン・ヒョジュだが、今回の役は相当“ヤバい人”のようだ。役作りのために眼鏡をかけ、入れ歯まで付けたハン・ヒョジュの新境地が期待されている。
秋の夜長のお供に、挑戦と成長を続ける女優たちの姿を楽しみたい。
注目のNetflix新作4選
1.『力の強い女 カン・ナムスン』
生まれながらに超人的な怪力を持つカン・ナムスンが、血のつながった家族を捜しに韓国へ。そこで麻薬事件に巻き込まれた彼女は、その真の強さを試されることになる。
2.『イ・ドゥナ!』
平凡な大学生のイ・ウォンジュンが、シェアハウスでK-POPアイドルを引退したイ・ドゥナに出会い、繰り広げる物語を描く恋愛ドラマ。
3.無人島のディーバ
不慮の事故により無人島に漂着してしまう歌手を夢見るソ・モクハ。不屈の精神で生き抜き、15年の時を経て奇跡的に救出されたモクハは、慣れない環境に奮闘しながらも、憧れ続けたディーバ(歌姫)になるべく夢への道を突き進む。
4.『毒戦 BELIEVER 2』
520万人の観客を動員し、ブームを巻き起こした映画『毒戦 BELIEVER』の続編。刑事のチョ・ウォノが決死の覚悟で追い続けるのは、アジア最大の麻薬組織の裏に隠された真実と、組織を率いる謎の人物の正体。実態がつかめない麻薬組織の核心へと迫る。
■著者・李ハナ
韓国・釜山(プサン)で生まれ育ち、独学で日本語を勉強し現在に至る。『スポーツソウル日本版』の芸能班デスクなどを務め、2015年から日本語原稿で韓国エンタメの最新トレンドと底力を多数紹介。著書に『韓国ドラマで楽しくおぼえる! 役立つ韓国語読本』(共著作・双葉社)。
■連載「ビジネスパーソンのための韓タメ最前線」とは
ドラマ『愛の不時着』、映画『パラサイト』、音楽ではBTSの世界的活躍など、韓国エンタメの評価は高い。かつて「韓流」といえば女性層への影響力が強い印象だったが、今やビジネスパーソンもこの動向を見逃してはならない。本連載「ビジネスパーソンのための韓タメ最前線」では、仕事でもプライベートでも使える韓国エンタメ情報を紹介する。