俳優・滝藤賢一による本誌連載「滝藤賢一の映画独り語り座」。約6年にわたり続いている人気コラムにて、これまで紹介した映画の数々を編集部がテーマごとにピックアップ。この年末年始に、あなたの人生と共鳴する一本をご提案! 今回は、心に刺さる洋画編①
『グリーンブック』
価値観の異なるふたりが、旅を通じて生涯の友となる
今回、紹介するのは見事にアカデミー作品賞を受賞した 『グリーンブック』。滝藤、オッサンふたりに骨抜きにされました。
時代は1962年。アメリカでは’64年まで黒人をはじめ、有色人種に公共の場での行動を制限するジム・クロウという差別的な法律がありました。その対策として黒人が利用できる施設を記したガイドブックが『グリーンブック』。これを片手にNYから南部へ演奏ツアーに出かける黒人の一流ピアニストと、その運転手を請け負ったイタリア系用心棒のロードムービーです――。
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『パラサイト 半地下の家族』
交わることのない家族が出会った時、事件が巻き起こる!?
ついに2020年!東京オリンピックにパラリンピックと、大きなイベントに注目が集まる年になりますが、1月10日から始まる深夜ドラマ『コタキ兄弟と四苦八苦』において、滝藤、世の上昇気流に乗れず、職なし、金なしの中年プー太郎を絶賛演じております。兄の家に転がりこむ弟役でいわば居いそうろう候。あ、英語ではなんて言うんだっけな。調べてみたら “parasite(パラサイト)” 。
そこで今回はポン・ジュノ監督の新作『パラサイト 半地下の家族』をご紹介。こちらは “寄生虫” の意味合いがぐっと強いブラックコメディです――。
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『グッド・ライ ~いちばん優しい嘘~』
ワンシーンに才能の限りをつくす脇役の存在感
1983年のスーダンの内戦に巻き込まれる子供たちの13年にわたる物語です。親を亡くし、国も失くした彼らを「ロストボーイズ」というそうです。
でも、いかにも苦しい、悲しいという描き方ではない。社会問題をポップに扱って、悲劇に笑いを交えている。だから、逆にジンとくるんですよね――。
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『ドリーム』
僕はいかに恵まれた環境で仕事ができているのか改めて痛感……。
映画好きの方なら、理想の男性像を演じる役者の姿に影響を受け、真似しまくっていたなんてことが一度はあるのではないでしょうか。特に10代の時に憧れた映画俳優は30代、40代になっても、無条件にずっとヒーロー。生き様のお手本になっていきます。
滝藤にとって『ラスト・ボーイスカウト』のブルース・ウィリスは別格として、かくありたいと常に思い返すのが『アンタッチャブル』や『ボディガード』のケビン・コスナー。責任感があり、タフでセクシーな男。なんといっても私が生まれて初めてのデートで観た映画も『ボディガード』でした。忘れもしない、高校1年の3月のことです――。
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Kenichi Takitoh
1976年愛知県生まれ。初のスタイルブック『『服と賢一 滝藤賢一の「私服」着こなし218』』(主婦と生活社刊)が発売中。滝藤さんが植物愛を語る『趣味の園芸』(NHK Eテレ)も放送中。