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2024.09.22

アウディ、偶数は電気、奇数は内燃エンジンに再編。日本上陸前の最新モデル検証

アウディAGは、2024年から車名の再編成を進めている。電気自動車(BEV)を偶数に、内燃エンジン車(ICE)には奇数の数字を割り当てる法則になるという。これから、どのようなモデルが登場するのか。日本上陸前の最新モデルを検証してみる。

長年のベストセラーであるアウディ「A4」は「A5」に

2024年、アウディは日本市場において華やかなニュースがほとんどない。実は限定車や特別仕様車をのぞいて新型車を発売していないためだ。いま本国では電気自動車(BEV)のバリエーションが増えていく一方で、内燃エンジン車(ICE)のモデルチェンジと、車名の再編成が進められている。まさにちょうど端境期にあるのだ。

アウディの車名の基本的な法則は、ハッチバック&セダンが「A」、SUVは「Q」となり、ボディの大きさにあわせて1〜8の数字が割りあてられる。「A1」はコンパクトハッチバック、「Q8」がラージサイズSUVといった具合だ。これ以外にスポーツモデルには「S」を、メルセデスAMGやBMW Mに相当するハイパフォーマンスモデルには「RS」を冠する。そしてスポーツカーには「TT」と「R8」があるが、いずれも年内で生産終了がアナウンスされている。

そして、BEVには「e-tron(イートロン)」という車名が追加される。基本的な法則は上記のものと同様で、現在日本国内で発売されているのは、SUVの「Q4 e-tron」と「Q8 e-tron」そしてスポーツセダンの「e-tron GT」の3モデルがある。

「e-tron GT」。本国ではマイナーチェンジが実施され、一充電航続距離とパフォーマンスが大幅に向上している。

では、今後どのようなモデルが登場するのか、本国で発表されたモデルをざっと見ていきたいと思う。まずBEVだが、今後はすべて車名に偶数が割り当てられることになる。おそらく次に日本に上陸するのは、「Q6 e-tron」になるだろう。これはアウディとポルシェが共同開発したBEV専用のプラットフォーム「PPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)」を採用したモデルであり、BEVのポルシェマカンとは姉妹車にあたる。

「Q6 e-tron」は、BEV専用のプラットフォーム「PPE」を採用するミッドサイズSUV。ポルシェマカンとは姉妹車。

このPPEをベースとしたBEVの開発は着々と進んでいるようで、すでに「A6 e-tron」や「A6 スポーツバックe-tron」も発表されている。

エンジン車用のプラットフォームを新規開発する狙いとは

一方でICEだが、こちらには奇数が割当られる。アウディのベストセラーセダンである「A4」は「A5」へと変更される。少々ややこしいのが、現行ラインアップでは「A4」のクーペバージョンを「A5」と呼んでいること。次世代ではおそらく「A5セダン」、「A5クーペ」という車名になるのだろう。

アウディはICEに対しても、新規のプラットフォーム「PPC(プレミアム・プラットフォーム・コンバッション)」を開発。これをもとに「A5セダン」と「S5セダン」、ステーションワゴンの「A5アバント」と「S5アバント」、そしてSUVの「Q5」を発表している。

アウディAGのゲルノート・デルナーCEOは、新しいモデルファミリーについて次のように述べている。「当社のBEVポートフォリオの拡大と並行して、効率的な内燃エンジンを搭載した新世代モデルを発売します。アスレチックなデザイン、完全に新しいインテリア、将来を見据えた電子アーキテクチャを備えたアウディA5ファミリーがその最初のモデルとなります。先進のMHEV(マイルドハイブリッド)プラステクノロジーにより、部分的な電気駆動を行う効率的な運転が可能になります」

アウディAGのゲルノート・デルナーCEO

アウディは2021年の段階で電動化戦略「Vorsprung 2030」を打ち出していた。これは、2026年以降に登場するすべてのモデルを電気自動車に、内燃エンジンの製造は2033年をもって終了するというものだった。しかし、現在の世界的なBEVのセールスの伸び悩みなどを鑑みれば、すでにメルセデスやボルボなども発表しているように、ICEの延命措置がとられることになるだろう。実際のところこのタイミングで新規のプラットフォーム「PPC」を投入しているわけで、そこはアウディも市場動向を読んで対策をうっているというわけだ。

おそらく来年には、ここで紹介した新型車が日本にもやってくるはず。新世代のアウディはBEVもICEにも要注目だ。

TEXT=藤野太一

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