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2022.07.19

夏のクルマ旅に、ヨーロッパ製の洒落系キャンピングカーがアツい!

自動車ジャーナリスト・サトータケシが、クルマ好きなら知っておくべき自動車トレンドの最前線を追いかける連載「クルマの最旬学」。この夏、車中泊の旅を考えている人に、国産ワンボックスや軽自動車とはひと味違うキャンピングカーを提案したい。【過去の連載記事】

キャンパー

個性を発揮したいなら、ヨーロッパ製がイチオシ

前回(1億円超えでも買いたい! 欧州最高峰のキャンパー「フォルクナー・モービル」)
は夢のキャンパーを紹介したので、今回はより身近なモデルを取り上げたい。日本でキャンパーというと、トヨタ・ハイエースに代表されるワンボックスや、ハイトワゴンと呼ばれる背の高い軽自動車が人気だ。ワンボックスにしろハイトワゴンにしろ、長い年月をかけて磨かれてきた車種なので、機能や使い勝手は文句なし。検索すれば車中泊仕様にカスタマイズされたモデルがいくつも出てくるはずだ。

国産ワンボックスも軽ハイトワゴンも、車中泊仕様にカスタマイズされたモデルはどれも完成度が高いけれど、ここではオルタナティブとして、ヨーロッパ製の2台を紹介する。まず1台は、プジョー・リフターだ。

プジョー

デザインも機能も、ミニバンとSUVの“いいとこ取り”をしたのが、プジョー・リフターの特徴。
プジョー・リフター
全長✕全幅✕全高:4405✕1850✕1880mm
ホイールベース:2785mm
車両重量:1650kg
エンジン型式:1.5ℓ直列4気筒ディーゼルターボ
エンジン最高出力:130ps/3750rpm
エンジン最大トルク:300Nm/1750rpm
乗車定員: 5名
価格:¥3,742,000~(税込)
TEL:0120-840-240(PEUGEOT CALL)

好きな場所で、ごろんと横になる

プジョー・リフターを推す理由のひとつが、まずデザインだ。室内空間を広くとることができるスクエアなボディ形状でありながら、ディティールにSUVのテイストを与えることで冒険心をかき立てるたたずまいになっている。

しかも、SUVのテイストはカッコだけじゃない。このクルマには、アドバンスドグリップコントロールというデバイスが備わっているのだ。このデバイスは、ダイヤルの切り替えで「雪」や「泥」、「砂」などのモードを選ぶことが可能で、路面コンディションに応じた最適なグリップ力を発揮することができる。
ディーゼルターボエンジンの力強さと優れた燃費、そして四角い外観からは想像できない丸い乗り心地は、はるか彼方を目指すのにうってつけ。ファミリーカーはファミリーカーだけれど、アドヴェンチャー・ファミリーカーなのだ。

で、このプジョー・リフターを車中泊仕様にカスタマイズするうえで心強いのが、純正オプションのキットが用意されていることだ。この「agré (アグレ)・ベッドキット」は、さまざまな車種のキャンパーへのカスタマイズを手がけてきた老舗、RVランドコンセプトが開発に参画しており、ユーザーが快適に使えるように機能がよく練られている。

プジョー

「agré (アグレ)・ベッドキット」は、フランス本国ではなく日本で独自で企画したもの。そのフィット感といい、使い勝手のよさといい、さすがは純正品。プジョー・リフターの全モデルに装着可能で、価格は¥250,800(税込)。

どんなふうに使い勝手がいいかというと、まず純正オプションらしく無加工で装着できる。車中泊仕様にするのも簡単で、慣れれば5分もかからない。しかもマットを5分割して荷室に格納することができるから、走行時は5名が普通に座ることができる。

車内ベッド

表皮の素材は上質なモケット地で、ボディカラーとコーディネイトできるよう、写真のアイボリーのほかにオレンジやグリーンなど、全6色をラインナップする。床下が収納スペースとして使えるあたりも気が利いている。

こうして車中泊が可能になったら、次は機能拡張で、たとえばプジョーが純正オプションとして用意しているカーサイドタープを張れば、ぐっと雰囲気が盛り上がってくる。

プジョー

日本独自企画の純正エアフレームカーサイドタープ。エアチューブ構造のフレームを使っているので、金属製フレームを用いる一般的なサイドタープよりも設営と撤収が素早く行える。価格は¥129,800(税込)。

実はこのカーサイドタープは2020年の暮れに発表されたが、大好評であっという間に完売してしまったという。今回発表された新しいカーサイドタープには、従来型への顧客からのフィードバックを踏まえて、改良が加えられている。具体的には室内空間が広くなっているほか、設営した後にクルマを移動しても独立して使えるようになっている。

おもしろいのは、このカーサイドタープの汎用性の高さで、リフターだけでなく、コンパクトカーの208からSUVの5008まで、多くのプジョー車に対応している。キャンパーや車中泊まで本格的にやるつもりはないけれど、アウトドア気分は味わいたい。そんな方の入門用としては、うってつけではないだろうか。
ちなみに、プジョー・リフターと基本骨格を同じくする兄弟車のシトロエン・ベルランゴにも、まったく同じオプションが用意されている。

カーサイドタープ

自立、独立する構造なので、設営した後でクルマで買い物に行くような使い方もできる。

キャンパーといえばフォルクスワーゲン

実用的なキャンパーと聞いて、クルマ好きが思い浮かべるのがフォルクスワーゲンのタイプⅡ、通称ワーゲンバスだ。その現代版ともいえるのが、フォルクスワーゲンT6.1カリフォルニア。
残念ながら日本には正規輸入されていないけれど、いくつかの輸入車業者が取り扱っているので、日本に取り寄せることは可能だ。

VW

日本未導入のフォルクスワーゲンT6.1カリフォルニア。

スペック的にはなかなか魅力的で、最高出力150psの2ℓディーゼルエンジンを搭載、7速のオートマチックトランスミッション(ツインクラッチ式のDSG)が組み合わされる。同社のSUVなどから想像するに、この組み合わせは走りっぷりといい、燃費といい、かなり期待できる。

VW

ルーフ部分に2名が寝られるスペースがあるほか、“1階”のスペースにも2名が就寝可能。

VW車内

VW車内

コンロから収納スペースまで、長年のノウハウの蓄積によって、長期バカンスの自動車旅行に使うことに最適化されている。

日本に輸入するとなると右ハンドルの英国仕様が妥当だと思われるけれど、英国での価格を見るとベーシック仕様の約5万6000ポンドから4駆仕様の約7万4000ポンドまで。1ポンド=160円で計算すれば、約890万円から約1180万円だから、相当に魅力的だ。

内装の設えなどはフォルクスワーゲンの純正で、そこまでリキ入れて作っているのなら日本にも入れてくださいよ、と言いたくなる。これだけ車中泊やキャンパーが盛り上がっているのだから、かなり需要があるのではないだろうか。

VW

キャンパーのパイオニア、フォルクスワーゲンのタイプⅡ。写真は、1967年に登場したT2と呼ばれる第2世代。

1億円超えでも買いたい! 欧州最高峰のキャンパー「フォルクナー・モービル」

Takeshi Sato
1966年生まれ。自動車文化誌『NAVI』で副編集長を務めた後に独立。現在はフリーランスのライター、編集者として活動している。

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連載
クルマの最旬学

話題の新車や自動運転、カーシェアリングの隆盛、世界のクルマ市場など、自動車ジャーナリスト・サトータケシが、クルマ好きなら知っておくべき自動車トレンドの最前線を追いかける連載。

TEXT=サトータケシ

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