CAR

2022.04.10

春の風に誘われて駆け抜けたいマクラーレン ──連載「NAVIGOETHE」

春爛漫の季節を思う存分満喫する方法としてドライブは最適だ。そんなドライブをともにしたいクルマを本誌連載「NAVIGOETHE」より紹介する。※2021年10月号、11月号、2022年3月号掲載記事を再編

ルーフはおろかフロントガラスもない。究極のロードスター「マクラーレン エルバ」

McLaren Elva

限定車セナをベースにルーフとフロントガラスをなくしたスペシャルモデル。マクラーレン史上、最も軽量(乾燥重量1300kg以下)なオールカーボンボディのロードカーだ。特徴的なディヘドラルドアはそのまま。専用デザインのカーボンモノコックボディを有し、M840TRエンジンも最高出力815psにまで引き上げられた。生産台数は世界でわずかに149台。フロントガラス付きも選択できる。McLaren Elva ¥200,681,070~[予定価格]

世界限定149台、約2億円のプライスを掲げるマクラーレン エルバには、ルーフはおろかフロントガラスもない。その佇まいは、まさに究極のロードスターだ。

スーパーカー界は今、電動化と個性化というふたつの戦略を軸に動く。特に後者はそもそもスーパーであるために必須の条件だから、各ブランドとも積極的だ。フロントガラスレスは最近の流行り。その見栄えは強烈に個性的である。

エルバの場合、創始者ブルース・マクラーレンが’60年代半ばに設計したレーシングカーにそのモチーフがある。もちろん最新の空力によって構成されたウルトラモダンなデザインだが、シンプルかつダイナミックなそのスタイリングからは、かつてサーキットを席巻しマクラーレンの名を世界に知らしめたレーシングカーと同じ種類のオーラが放たれているように感じた。

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スーパーカーの弱点を克服したグランドツーリング「マクラーレン GT」

McLaren GT

究極を意味するアルティメット、スーパーカー、そしてGTでシリーズ構成されるマクラーレンの現行ラインナップ。そのなかでもマクラーレンGTは、同ブランドにとって新たなシリーズとして2019年に登場。軽量や空力、スピードを突き詰めた究極のスーパースポーツ「スピードテール」のDNAを受け継ぐ一方で、ヨーロッパ大陸横断も可能とするマクラーレン流の快適性や利便性を併せ持つ。McLaren GT ¥26,950,000~

身につけているもののすべてに理由があるというマクラーレンのポリシーのもと、ツアラーという新たなスーパースポーツのステージ上に登場したマクラーレン“GT”。その存在理由もわかるドライブを九州の都市部から雄大な自然のなかで味わうことができた。

美しいフォルムはライバルたちと比べ200㎏以上も軽量かつエアロダイナミクスに極めて優れた機能/性能美を纏(まと)う。前後にラゲッジが備わるGTのとりわけ荷室後方のスペースは、GT独自の設計によりエンジン搭載位置に工夫を加えることで、ゴルフバッグやスキー板なども積載可能だ。

さらに意識的に後方ガラスエリアも大きくとられ視認性に優れる。これが実に感覚的な安心感にも繋がり、スーパーカーが最も苦手とする駐車時のストレスが軽減。日常のグロッサリーのハシゴも旅先でのスポット巡りも、積極的に行こうと思える点が素晴らしい。ちなみにマクラーレンの象徴的ともいえるディヘドラルドアもレーシングカーのような骨格構造を持つがゆえの乗降性への配慮であり、それは軽くスマートな所作を可能にしている。

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マクラーレンから意のままに操れる「McLaren 765LT SPIDER / 720S GT3X」が登場

765 LT スパイダー

マクラーレンのLTシリーズは主力のSシリーズが持つスポーツ性をさらに高めた高性能モデル。一般道だけでなくサーキットで全開走行を繰り返しても“へこたれない”強靱さと、圧倒的なコーナリング性能やエンジンパワーを備えたスーパースポーツモデルとして好評を博している。765LT スパイダーはその最新作で、全世界で765台が限定販売される。765LT スパイダー ¥49,500,000〜。(マクラーレンオートモーティブ 詳細はこちら

スーパースポーツカーの楽しみ方はいくとおりもある。優美なスタイリングを愛(め)でるのもいいし、サーキットやワインディングロードで純粋なスピードに酔いしれるというのも、楽しみ方のひとつであるに違いない。

イギリスの名門F1チーム“マクラーレン”が手がけるスーパースポーツカーもまた、そういった歓びに溢れているが、それだけに留まらない。ドライバーが意のままに操れる扱いやすさ、という面でも、マクラーレンは傑出した存在なのである。

「扱いやすいスーパースポーツカー」という表現に軽い違和感を覚える生粋のクルマ好きも少なくないはず。しかし、同様の思想はF1グランプリを戦う最新のレーシングカーにも息づいている。なぜなら、レーシングカーの速さを引きだすレーシングドライバーもまた、ひとりの人間に他ならないからだ。

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