世界中のウイスキー好きから、伝説のウイスキーと称される「アードベッグ 17年」が四半世紀の時を経て復活。会費無料のファンクラブ、アードベッグ コミッティーで2024年9月25日から抽選販売が行われる。
最高蒸留・製造責任者のビル博士が語る伝説の再来
「実は復活してほしいというリクエストに対して、ずっと『No』と言い続けてきたんです」
そう言うのは、スコッチウイスキー、アードベッグの最高蒸留・製造責任者のビル・ラムズデン博士だ。
世界中のウイスキー好きの間で神格化される存在のビル博士は、大学で生化学を専攻し、発酵生理学(yeast physiology)の分野で博士号を取得した科学者。科学のバックグラウンドを活かした技術、芸術的センス、そして類まれな味覚によって世界屈指のウイスキークリエイターとして数々の賞を受賞。革新的な作り手として、業界で一目置かれている。
スコットランドの北西、ヘブリディーズ諸島の最南端に位置する辺境の島、アイラ島。スコッチウイスキーの聖地と呼ばれるその島の南部の海沿いにアードベッグ蒸留所はある。1815年に設立したアードベッグ蒸留所だが、過去には幾度も閉鎖を余儀なくされた。復活を遂げたのは1997年にグレンモーレンジィ社による買収が行われたからだ。
「生産を停止していたアードベッグ蒸留所は、1997年に再開。私はグレンモーレンジィに加え、アードベッグも手がけるようになりました。そして、この『アードベッグ 17年』は、蒸留所再開後、初めてリリースされたもの。だから私にとっても思い出深い特別なものなのです」
ピートが非常に強く、スモーキーでありながら繊細な甘さが特徴ゆえに「ピーティーパラドックス」との愛称もあるアードベッグ。クセになる個性的な味わいから、「アードベギャン」と呼ばれる熱狂的なファンに愛される。
なかでも「アードベッグ 17年」は、爽やかさと微かな薬っぽさ、甘い煙とモルトの旨味が見事に調和した味わいを持つ。2004年に多くのアードベギャンに惜しまれながら販売が終了したが、この度、ビル博士の手によって数量限定で復刻された。
「20年前から原酒を少しずつ残しており、今から2年ほど前、もしかしたら復刻できるかも、と思いつきました。世界中のアードベギャンが待ちに待った1本です。非常にデリケートな味わいが特徴。『アードベッグ 10年』がエスプレッソだとしたら、『アードベッグ 17年』はカフェラテとでも言いましょうか、クリーミーなテクスチャーを誇ります」
四半世紀ぶりに販売される「アードベッグ 17年」を手に入れることができるのは、会費無料のファンクラブ、アードベッグ コミッティーにおいてのみ。ちなみにアードベッグ コミッティーは、世界約130ヵ国、18万人以上のアードベギャンから成る会員組織のことをいう。
ビル博士は毎年、このコミッティーに向けて多くの限定品を手がけ、リリースしている。
「アードベッグには限定の味わいがたくさんありますが、そういった新しい味をつくるよりも、今回の、昔の味わいを蘇らせるのは非常に困難でチャレンジングでした。なんといっても多くのアードベギャンにとって思い出の味ですからね」
The Legend Returns――「アードベッグ 17年」を手に入れるには、まずはコミッティーメンバーに登録し、抽選販売に臨みたい。その伝説の再来を味わえた人は幸運だ。
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