美食を追求する秋元康、小山薫堂、中田英寿、見城徹が選ぶ、最強のレストランガイド「ゲーテイスト2023」。会食に使っているお店を紹介する。今回は東京・大手町の「est(エスト)」。
見城徹「モダンジャポニズムっていうのかな。フレンチのなかにうまく日本が溶けこんでいる」
フォーシーズンズホテル東京 大手町の最上階にあるフレンチダイニング。『キュイジーヌ〔s〕ミッシェル・トロワグロ』出身の料理長ギヨーム・ブラカヴァル氏が、「繊細な日本の食材を生かしたい」と創意を凝らした軽やかでモダンな料理を楽しめる。
見城 フォーシーズンズは丸の内に行く人が多いみたいだけど、僕は大手町が好きなんです。
小山 僕は丸の内の『セザン』派です。
秋元 僕はどっちも。
中田 僕は『エスト』派。インテリアがいいですよね。
見城 そうなんだよ。両脇が書棚になっている廊下を抜けると天井の高いダイニングが現れて。優美だけど重すぎない。テーブルにクロスや仰々しいセッティングがないのは今や当たり前なのかもしれないけど、リラックスできるよね。僕は専ら個室なんだけど、モダンジャポニズム的な家具やアートが素敵なんだ。
中田 ガラス越しにキッチン全体が見えるシェフズテーブルのような席も楽しいですし、柱でプライベート感が保たれている窓側の席もいい。料理はサプライズとか高級食材に頼るのではなく、日本のいい食材を自分たちで探す努力をしていますよね。
見城 漁港や農家など産地を訪れるのがライフワークになっているって。ギヨーム・ブラカヴァルシェフはハイアットリージェンシー東京にあった『キュイジーヌ〔s〕ミッシェル・トロワグロ』にいた人。日本での生活が長いから、軽やかなフレンチ、というか、ちょっとボーダレスな感じになってきているよね。
中田 ペストリーシェフのミケーレさんも『トロワグロ』から引き抜かれた方で、おふたりで産地を回っているそうです。
中田英寿「雰囲気も料理も、モダンと優雅さを持ち合わせたバランスのよい軽さが魅力」
見城 外国人シェフが日本の風土や文化、食の傾向を理解してくれたうえで作ってくれるフレンチ。これからは日本人以上に日本の食材に詳しくなって深化していくのかも。
秋元 最近、日本の食材が注目されていますもんね。
中田 日本でしか食べられないフレンチ、期待したいですね。
見城 ホテルのフレンチとしてはワインの価格も良心的ですよ。ソムリエが一生懸命リーズナブルで美味しいワインを提供しようとしている。そういう姿勢も心に響きます。
est/エスト
住所:東京都千代田区大手町1-2-1 フォーシーズンズホテル東京 大手町39階
TEL:03-6810-0655
営業時間:12:00~L.O.13:30(アラカルト14:00)、18:00~L.O.20:00(アラカルト20:30)
定休日:月曜
座席数:72席、個室2室
料金:ランチコース¥15,000(平日限定、要事前予約)・¥22,000、ディナーコース¥30,000