PERSON

2026.02.18

中島健人「“アイドルは光を受けて輝く存在”という自分の信条は、世界でも通じる」

中島健人は、年齢を重ね、フェーズが変わっても“アイドル”であり続けることを選んだ。脱皮でも回避でもない、引き受け続ける覚悟。その仕事観には、世界に通じる普遍性が静かに宿っている。

中島健人「光を受けて輝く“アイドル”は世界でも通じる」
ジャケット¥132,000、カーディガン¥46,200(ともにサルバム info@sulvam.com)

中島健人が魅せるアイドルという矜持

自分がかつて夢中になったアイドルが、キャリアを重ね、人間として成熟していくにつれ、表現のフィールドを広げていく。そんな光景を目にしてきた人は少なくないだろう。とりわけ男性の場合、年齢とともに「アイドル」という呼称との距離感が変わり、自身の在り方を柔軟に更新していく例も多く見られてきた。

そのなかで中島健人は、アイドルという仕事と、ごく自然に向き合い続けてきた存在だ。自ら選んだその立ち位置を、時代や自身の変化に合わせて全うしている。それは単なる自己演出でも、惰性によるものでもない。むしろ経営者やリーダーが、自らの仕事に意味を問い続けながらプロジェクトを育てていく姿勢と、どこか重なって見える。中島健人にとって「アイドル」とは、覚悟を持って引き受け続ける、プロフェッショナルの矜持そのものなのだ。

焦りや悔しさを膨大な仕事量で埋めた日々

「14歳でこの世界に入ってから今までを振り返ると、ある意味、夢のような日々でした。アイドルグループの一員として重ねてきた経験もそうですが、2024年にソロとして新しいスタートを切ってからは、より密度の濃い、地に足のついた仕事をしている実感があります。新たなチームが組まれ、プロジェクトが始動するたびに感じるのは、本来は一人であるはずなのに、こんなにも多くの人の意志や力、魂がつながって、中島健人という存在を支えてくれているということ。それを以前にも増して強く感じます。と同時に、それまでどこか他人事のように捉えていた『アイドル』という立ち位置を、自分事として引き受ける覚悟ができた気がします」

グループとして人気を博し、やがてソロへといたるまでの時間は、アイドルという存在そのものが、大きな転換期を迎えていた時代と重なる。なかでも、2018年頃から、K-POPアイドルグループが全米チャートの頂点に立ち、世界を席巻していった怒涛の快進撃は、日本のエンタテインメントに携わる者にとって無視できない現実でもあった。

当時すでにグローバルな展開を意識し始めていた中島健人にとって、その光景は強烈な刺激であると同時に、先を越されたという焦りと、拭いきれない悔しさを突きつけられた出来事でもあったという。「自分は何をやってきたのだろう」と自問する日々が、そこから始まった。

「その頃からですね。自分がやりたいことを企画書としてどんどん書きだすようになったのは。尊敬する先輩に相談しながら、どうしたら形にできるかを考え続けていました。キタニタツヤとのユニットGEMNでの楽曲が世界にも認知されたのも、そういったことの積み重ねが実を結んだ結果なのかなと思っています。ソロになってからのアルバム作りでも、詞や曲を書いたり、ビジュアルディレクションに関わったり。アイドルではありますけれど、その枠組みを軽く超える作業量をこなしている自負はあります」

アイドルという職業は世界とつながっている

そう語ったソロ2作目の新作アルバムが、2026年2月18日にリリースされる『IDOL1ST(アイドリスト)』だ。あまりにもストレートなタイトルに思わず頬がゆるむが、字面を追えばそこには「アイドル1st」という読みを忍ばせていることに気づく。そこには、中島健人が至高の存在で居続けるため、アイドルをさまざまな解釈でとらえた楽曲が詰まっていることが一目瞭然だ。1月に先行配信されるシングル『XTC』には、セカンドシングル「IDOLIC」と対になる、ヴェールを被った彼の神秘的な裏側も巧みに表現されている。

「『IDOL1ST』は、アイドルを再定義するというよりは、『手を抜かない』『泥臭く行く』というグループ時代から変わらない信念を、めいっぱい呼吸できる新しい場所で表現した作品です。例えるなら、トレーニングでつけた重りを一気に本番で外した感覚。これから先、新しいアイデアもどんどん生まれる気がしています」

仕事の質は国境を超えた時によりくっきりと浮かびあがる。中島健人は海外で仕事を重ねるなかで、自分が背負ってきた「アイドル」の輪郭を改めて意識するようになったとも言う。

「海外ドラマの撮影でイタリアに1ヵ月弱滞在した時に、他国の共演者の方々にお辞儀をされたことがありました。言葉じゃなく所作で示されたリスペクトを表してくれたことに、尊さと美しさを感じましたよね。“アイドルは光を受けて輝く存在”という自分の信条は、世界でも通じるものなのだと実感しました」

仕事は人生で何よりも大切なものだ、と彼は言い切る。中島健人は今日も、そして明日も「アイドル」であり続けるだろう。重責を自ら引き受け、しなやかに更新し続けながら。

中島健人/Kento Nakajima
1994年東京都生まれ。2011年にアイドルグループ「Sexy Zone」のメンバーとしてメジャーデビュー。ケンティーの愛称で呼ばれる。グループ卒業以降は、アーティスト、俳優としても活躍。2026年2月18日に待望の2ndアルバム『IDOL1ST』をリリース。

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TEXT=畠山里子

PHOTOGRAPH=伊藤彰紀(aosora)

STYLING=カワセ136

HAIR&MAKE-UP=石津千恵

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