限界を知らない男、モノ、コト――過剰なモノを愛し続けたゲーテ編集部が贈る特集「最上級事典2023」。妥協を知らないゲーテ流の最上級とは何か。今回は、恵比寿の会員制ラーメンレストラン「GENEI.WAGAN(ゲンエイワガン)」の味噌ラーメンを紹介する。【特集 最上級事典2023】
日本一たどりつけない、極上の「ラーメン」
日本唯一の会員制ラーメンレストラン、「GENEI.WAGAN」オーナーシェフの入江瑛起氏は、時代を牽引し続けるラーメンファンタジスタ。これまで常にどこにもない味、どこにもない店を追い続けてきた。2003年、福岡で開業した麺劇場 玄瑛では店を「劇場」、厨房を「舞台」に見立て、すべての席から調理を観ることができる「観客席」を設(しつら)えて、ラーメン業界に衝撃を与えた。
2012年に東京へ進出して開業した「GENEI.WAGAN」では、コース料理を演目と名づけて、さらにその革新性を極めた。コースの締めに出てくる「本日のラーメン」は、その人の来店回数によって内容が変わる。一期一会のラーメンを作り続けて10年。入江氏がこれまでに創作してきたラーメンは数千を数える。
焼きアゴをベースに昆布や厚削り節などの旨味を加えた出汁に焼き味噌を溶かしたスープは、仕上げに青唐辛子や山椒などから抽出した特製オイルをひと回し。自家製の手揉み麺は驚くほどの水分が含まれる超高加水麺。
そんな唯一無二、前代未聞の味噌ラーメンを食べられるのは、来店回数10回以上の人だけ。はたしてこのラーメンにたどりつくことができるだろうか。