GOURMET

2022.06.01

フランス郷土料理と東京らしさの融合! 進化し続けるレストラン「THE UPPER」

いま、フランス料理の世界では“原点回帰”に着目するシェフが増えているという。故きを温ねて新しきを知るという言葉があるように、古典を見つめなおすことは、フランス料理の本質を理解し、新たな発想を得るために必要不可欠。レストランにビストロ、ブラッスリーなど、シーンや目的で店を使い分けることが日本人にもすっかり定着したいま、トレンドをいち早く汲み“大人が通いたくなる東京のブラッスリー”を体現した「THE UPPER」が、注目を集める理由とは。

THE UPPER メニュー

サーモンのマリネ¥1,700 (中央)

本場フランスの味を軸にメニューを刷新

“時代の気分を先取りしながら、進化し続けるレストラン”をテーマに、人気を集める「THE UPPER」。2フロアで構成され、丸の内らしい都会的なムードに包まれるレストランは、界隈で働くビジネスパーソンでつねに賑わいを見せているが、この2022年5月に10階のメニューを刷新。古典的なフランスの郷土料理と東京らしさを融合させたブラッスリーへと生まれ変わった。
料理を手がけるのはパートナーシェフとしてメニュー考案に携わってきた高田祐介シェフ。高田シェフといえば、大阪の二ツ星レストラン「La Cime」のオーナーであり、アジアのベストレストラン50にもランクインするなど、日本を代表するフランス料理人として食好きにはよく知られた存在だ。奄美大島で生まれ育った自身のルーツを投影した料理は先鋭的でありながら、ベースにあるのは、あくまでも伝統的なフランス料理。今回「THE UPPER」の新メニューを考案するにあたり、自身の思い出の場所でもあるリヨンの“街角に当たり前にあるブラッスリー料理”を軸にした。

THE UPPER メニュー

シュークルート・アルザス風 -ザワークラウト、ソーセージ、豚バラ肉コンフィ、ジャガイモ ¥3,200

自身のベースはあくまでフランス料理

テーブルに敷かれたメニューには、サーモンのマリネ、鮮魚のムニエル・ブールノワゼット、オニオングラタンスープなどフランスの伝統料理がずらりと並び、そのメニューの充実ぶりに思わず目うつりするほど。なかでも、フランス南西部を代表する郷土料理で、豚肉のソーセージとチーズの旨味、ザワークラウトのまろやかな酸味が一体となるシュークルート・アルザス風はワインとの相性も抜群で、ボリューム感にも大満足。料理はアラカルトがメインだが、熱々のポムフリットをつまみながら「今日はなにを食べよう」と思いをめぐらせるのも心が浮き立つ時間だ。

「自分のベースにあるのはつねにクラシックなフランス料理。その時々でプレゼンテーションや構成は変えますが、やっぱりクラシックは永遠です。いまの気分として、ここでは直球のブラッスリー料理を出したかったんです。料理を囲んでワインを飲んでみんなが自然と笑顔になるような。前菜とワインだけでもいいし、肉料理をしっかりという使い方もできる。自由に楽しんでもらえたら嬉しいです」

これからの季節はテラスで心地よい風を感じながら食事を楽しむのも一興。東京らしい雰囲気も相まって、心が弾むようなひとときを過ごせるはずだ。

THE UPPER 店内

THE UPPER
住所:東京都千代田区丸の内1-3-4 丸の内テラス 9F 10F
TEL:03-5962-9909
営業時間:11:30~22:30(火曜〜土曜 ランチL.O. 15:00/ディナーL.O. 21:30)、日曜 11:30~17:30
定休日:月曜

TEXT=小寺慶子

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