秋元康、小山薫堂、中田英寿、見城徹の美食を探求する4兄弟の偏愛レストランを大公開するゲーテレストラン大賞「ゲーテイスト」から九州の博多、島原、天草の名店をまとめてご紹介。※GOETHE2020年6・7月号掲載記事を再編
旧かつえ|博多の水炊き屋。味も食べ方も他とは違う衝撃の水炊きを味わう
――博多には名物の水炊き専門店が多いが、ここでは創意溢れる日本料理のコースの最後に供されている。ポン酢を使わないなど味も食べ方も、幾多の水炊きとは違う新スタイルで密かに注目を集め、ミシュラン1つ星も獲得。
見城:福岡に行ったら絶対行ってくださいって言いたいくらい、衝撃の水炊きです。
小山:スープが旨いんですか?
見城:スープも鶏も、最後の雑炊も。水炊きの前に出される一品料理も、出てくるもの全部旨い。
秋元:755(SNS)に書いてましたよね。
見城:そう。目の前でいろいろ入れながら食べるのではなくて、完成形で出てくる。熱々を食べてもらうために鍋で出す料理。
秋元:なるほど。
見城:スープだけでなく、鶏肉も旨みが深いというか、凝縮感があって……。店主の池田 泰さんに聞いたら、あらかじめ昆布で〆ているって。鶏つくねはふわっふわで喉越し滑らかだったな。でね、さらに驚くべきは雑炊が冷たいの。
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Kyu katsue
住所:福岡県福岡市中央区高砂1-6-18
TEL:092-531-0205
営業時間:17:00~21:00
休業日:不定休
座席数:15席、個室なし
料金:コースは¥7,000
※前日までの完全予約制
ペシコ|長崎のイタリアン。島原の有明海を望む最先端“里浜ガストロノミー”
――地元の自然の恵みや綿々と受け継がれてきた食文化を大切に思い、その魅力をモダンなひと皿に昇華させている井上稔浩シェフ。島原の価値を高めようと孤軍奮闘する姿も心を打つ。島原生まれ、島原育ちの若きスターだ。
小山:海沿いにあって、とっても素敵なお店です。「里浜ガストロノミー」を標榜し、島原の海と山の恵みを使い、代々伝わってきた発酵保存食も自家製にして、料理に奥行きを加えています。
中田:最先端を行く若手シェフたちは、自然との共存、伝統の食を見直すなど原点回帰を目指していますよね。
小山:大阪の調理師専門学校を、卒業後も故郷に帰らず、アルバイトをしながら旅をするという生活を5年くらいしていたそうです。実家は島原で鮮魚を中心に扱うスーパーマーケット。お父さんは魚の目利きで一目置かれる人なんですね。そのお父さんが、彼を心配して、店の裏で一緒に居酒屋でもやろうって故郷に呼び戻すわけですよ。そこからめきめきと郷土愛に燃える料理人へと成長していくんです。
秋元:いい話だね。
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Pesceco
住所:長崎県島原市新馬場町223-1
TEL:0957-73-9014
営業時間:12:00~/19:00~(完全予約制。
お昼の営業・夜の営業ともに2組の受付)
休業日:不定休
座席数:8席、個室なし
料金:コースは¥8,000、¥14,000
むら上|熊本の鮨割烹。天草の名店『奴寿司』の息子兄弟が板場に立つ、料理も握りもいい店
――熊本県天草の有名店『奴(やっこ)寿司』の息子ふたりが、今年1月に熊本市内で独立し、兄弟で板場に立つ。天草産の極上素材による握りだけでなく、鮨店の域を超えたつまみの数々、スタイリッシュな内装、器使いも注目の話題店だ。
小山:天草の名店『奴寿司』の息子さんたちが、今年1月に熊本市内にお店を出したんです。
秋元:薫堂の実家の近くの『奴寿司』?
小山:はい、兄の村上正臣さんは日本料理店で修業を積み、弟の拓也さんはずっとお父さんの下で仕事をしていたんです。でもある日拓也さんは『照寿司』の大将に気に入られて修業に出たのをきっかっけに、名店『わさ』の山下昌孝シェフに呼ばれて東京でも働いて鍛えられたそうです。
秋元:それはすごいね。
小山:人脈も広がり、お兄さんが東京で拓也さんに会った時、顔つきが随分しっかりしていたので、これなら一緒に仕事ができるかなと思ったそうです。
中田:魚は熊本産?
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Murakami
住所:熊本県熊本市中央区桜町5-17 SAKURA TERRACE2F
TEL:096-288-5210
営業時間:昼は12:00~、13:00~の2部制/夜は19:00~
料金:¥12,000(12:00~/19:00~)、¥6,000(13:00~)
休業日:不定
座席数:カウンター10席