連載「ヴィンテージウォッチ再考」の第68回は、ロレックス「デイデイト Ref.18238」を取り上げる。

18Kイエローゴールド製「デイデイト Ref.18238」
ロレックスの最上位に位置するプレステージモデルとして、1956年に発表された「デイデイト」は、日付に加えて12時位置の弧状の小窓にフルスペルの曜日を表示した世界初の機構を備える腕時計であり、曜日表示は現在26ヵ国という豊富な言語から選択できる。
成功者の証として君臨する「デイデイト」は豊かなバリエーションも魅力であり、モデルごとにまったく異なる表情を見せてくれる。今回紹介する1993年製の「デイデイト Ref.18238」は、ダイヤルにオニキスを使用した非常に人気の高い1本だ。
ギリシャ語で爪やかぎ爪を意味するオニキスは、黒瑪瑙(くろめのう)とも呼ばれるアゲートの一種で、縞模様のある玉髄(ぎょくずい)。石灰岩の一種で、断面に波状の縞模様がある。
こちらの「デイデイト Ref.18238」のように、ダイヤルに貴石を用いたモデルはインデックスがないことがほとんどで、それによって石の存在感が全面に引きたち、同時にミニマムな印象が生まれている。
前モデル「Ref.18038」からの主な変更点は、肉厚なケースから厚みを抑えたスマートなケースに改善されたことだ。
それに伴いムーブメントを「Cal.3155」へ変え、テンプを左右両方で支えるツインブリッジ方式を採用したことによって、安定性とメンテナンス性が向上している。
操作性も進化しており、このモデルから日付に加えて、曜日もクイックチェンジが可能となった。
抜群のステータスと実用性を兼ね備えたオニキスダイヤル製の「デイデイト Ref.18238」は、紛れもなくこの時代を代表するヴィンテージロレックスであろう。
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