連載「ヴィンテージウォッチ再考」の第36回は、ロレックス「サブマリーナー Ref.5512」を取り上げる。
「サブマリーナー」で初めてリューズガードを採用したモデル
ロレックスが誇るダイバーズウォッチの名作「サブマリーナー」は、機能性を求める過程で紆余曲折経て、現在のデザインにたどり着いた。それは歴代モデルの変更を見れば容易に分かる。
一般的な「サブマリーナー」のイメージが定着したのは、「サブマリーナー Ref.5512」の登場からだろう。よく「サブマリーナー Ref.5513」と比較されるが、クロノメーターを取得している(初期モデルの一部は取得されていない)「Ref.5512」のほうが上位機種にあたる。
「Ref.5512」が革命的だったのは、サブマリーナー史上初めてリューズガードを採用した点。1959~1977年の製造期間で、最初期の頃は“イーグルビーク”、“スクエアガード”などと呼ばれる大変珍しい形状のリューズガードも存在する。
今回紹介する「Ref.5512」は、6時位置のオレンジに変色した「SUBMARINER」の下に、シルバー字で“アンダーバー”が入っている希少な文字盤を備えているのが特徴だ。
この“アンダーバー”マークは、夜光塗料にトリチウムを使用していることを示しているそう。
リューズガードはこの年式の「サブマリーナー」を象徴する、先端の尖った「PCG(ポイテッドクラウンガード)」が採用されている。
突き詰めると実にマニアックなヴィンテージロレックス「サブマリーナー」の世界。そこには果てしない深淵が広がっているのだ。
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