MAGAZINE &
SALON MEMBERMAGAZINE &
SALON MEMBER
仕事が楽しければ
人生も愉しい

WATCH

2023.03.08

プレミア価格になる前に!ブレゲ、ジラール・ペルゴ、1990年代のポストヴィンテージウォッチが新鮮

連載「ヴィンテージウォッチ再考」の第17回は、1990年代のブレゲ「クラシック」とジラール・ペルゴ「リシュビル」を紹介する。

ブレゲ「クラシック」とジラール・ペルゴ「リシュビル」

注目が高まる1990年代生まれの機械式時計

1970年代から始まったクォーツショックを境に、スイス時計業界は大きな変革期を迎える。低迷した機械式時計の産業が復興に向けて動き出したのは1980年代半ば頃からで、その成果が徐々に出始めた1990年代のプロダクトには試行錯誤の跡が見られる。

1990年代に製造された多くの時計は、単純にクオリティの部分だけで比べれば、クォーツショック以前に作られたヴィンテージウォッチや現行モデルに見劣りするかもしれないが、視点を変えると、この時代ならではの魅力を備えていることが見えてくる。次に紹介する2本とともに読み解くためのポイントを解説しよう。

天才時計師アブラアン-ルイ・ブレゲが1775年に創業したブレゲは、1970年にショーメ、1987年にインベストコープに買収された後、1999年にスウォッチグループの傘下に入る運びとなった。1972年に発表された「クラシック」は、ブレゲにとって激動の時代に生まれたコレクションであり、瑞々しく力強いデザインは色褪せない魅力を放っている。今回紹介する1990年代に製造されたRef.3917は、34mm径のコンパクトなサイズ感、ジャガー・ルクルト製の手巻きムーブメント、そして初期モデルならではのシャンパンカラーのダイヤルを備えている。

ブレゲ クラシック

ブレゲ クラシック
Ref.3917(1990年代製造)、手巻き(Cal.818/5)、18KYGケース、ケース径34mm。¥1,408,000

ブレゲ クラシック

古典的なデザインであるコインエッジケースが味わい深い。

ジラール・ペルゴの「リシュビル」は、アール・デコの影響を受けたケースデザインとクロノグラフを組み合わせた趣深いスタイルに特徴がある。34.5mm径の上品なトノー型ケース、ブレゲ針、ブレゲ数字のインデックスは、一般的なクロノグラフと一線を画すドレッシーな雰囲気が漂う。ムーブメント製造メーカーの名門レマニア製の手巻きムーブメントが搭載されていることも時計マニアにとっては高ポイントだと言えよう。

ジラールペルゴ リシュビル

ジラール・ペルゴ リシュビル
Ref.2710(1990年代製造)、手巻き(Cal.12)、SSケース、ケース径34.5mm。¥547,800

両者に共通することは、上品なデザインにマッチする小ぶりなサイズ感に加えて、信頼性の高い他社のムーブメントが搭載されていたことにある。さらには、往年のヴィンテージウォッチに比べて、防水性能における不安がかなり解消されているため、日常使いにも適していることも長所として見逃せない。このほかにも気になるモデルがあれば、プレミア価格になる前に押さえておくのも得策だろう。

問い合わせ
江口洋品店・江口時計店 TEL:0422-27-2900

 

■連載「ヴィンテージウォッチ再考」とは……
インターネットやSNSの普及からあらゆる時代の時計が簡単に入手できるようになった。そうはいったところで、パーツの整合性や真贋の問題が問われるヴィンテージウォッチの品定めは一筋縄ではいかない。本連載では、ヴィンテージの魅力を再考しながら、さまざまな角度から評価すべきポイントを解説していく。

↑ページTOPへ戻る

過去連載記事

この連載をもっと読む

連載
ヴィンテージウォッチ再考

インターネットやSNSの普及からあらゆる時代の時計が簡単に入手できるようになった。そうはいったところで、パーツの整合性や真贋の問題が問われるヴィンテージウォッチの品定めは一筋縄ではいかない。本連載では、ヴィンテージの魅力を再考しながら、さまざまな角度から評価すべきポイントを解説していく。

TEXT=戸叶庸之

PHOTOGRAPH=江藤義典

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2024年6月号

ボルテージが上がる! 魂のハワイ

2024年6月号表紙

最新号を見る

定期購読はこちら

MAGAZINE 最新号

2024年6月号

ボルテージが上がる! 魂のハワイ

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ6月号』が4月25日に発売となる。今回のテーマは、安息と刺激が共存するハワイ。オアフ島に加え、ハワイ島、ラナイ島と3島にわたるアイランド・ホッピングを総力特集! 知る人ぞ知る、超プライベートリゾートから、新しくオープン&リニューアルしたホテル情報、最旬グルメ、死ぬまでに一度はみたい絶景、最新ゴルフ場事情など、今知りたいハワイを完全網羅する。 表紙は、ソロアーティストとして新たな道を突き進む、三宅健と北山宏光のふたりが登場。

最新号を購入する

電子版も発売中!

定期購読はこちら

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる