連載「ヴィンテージウォッチ再考」の第11回は、ロレックス「エクスプローラー」からRef.1016のE品番を紹介する。
ヴィンテージロレックス「エクスプローラー」の定番Ref.1016のレアモデル
1953年、冒険家のために誕生したロレックスの「エクスプローラー」は実用品として信頼性はもとより、無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインが時代を超えて愛され続けている。
ヴィンテージロレックスの世界において、メガコレクターが数多く存在する「コスモグラフ デイトナ」や「サブマリーナー」のレアモデルと比べると、「エクスプローラー」はそこまでプレミア化が進んでいない傾向が見れる。
「エクスプローラー」の歴代モデルの中でも1960年から製造が始まったRef.1016は、ヴィンテージロレックスを代表する定番として長年親しまれており、とりわけ小ぶりなサイズの時計が好まれる日本での人気が高い。
他のモデルと同じように、Ref.1016はロングセラーであったことから様々な仕様の変遷があり、一部のコレクターの間でディテールの研究が進んでいる。
今回紹介する1990年製造(E品番)の個体は、滅多にお目にかかれない非常にマニアックな1本。Ref.1016の製造期間は1960年から1989年というのが通説であり、最終のシリアル番号は1989年の製造を意味するL品番だと言われることが多いのだが、さらに調べると、1990年頃からのE品番が製造されていたことが確認できる。今現在、該当する文字盤は数種類あると言われている。
傍から見るとくだらない話に聞こえるかもしれないが、ヴィンテージの世界ではこのような微差が評価の対象として受け入れられているのが事実であり、ヴィンテージロレックスはその最たる例に違いない。
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■連載「ヴィンテージウォッチ再考」とは……
インターネットやSNSの普及からあらゆる時代の時計が簡単に入手できるようになった。そうはいったところで、パーツの整合性や真贋の問題が問われるヴィンテージウォッチの品定めは一筋縄ではいかない。本連載では、ヴィンテージの魅力を再考しながら、さまざまな角度から評価すべきポイントを解説していく。