連載「意欲的新作ウォッチ」の第141回は、オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ」を取り上げる。
黒を纏う「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ」の最新作
1992年にプロトタイプが完成した「ロイヤル オーク オフショア」は、翌1993年のバーゼルワールドで正式に発表された。デザインを担当したのは、オーデマ ピゲに在籍していた若手デザイナーであったエマニュエル・ギュエ。彼はエクストリームスポーツウォッチというコンセプトのもと、10気圧の防水性能を持つ42mm径のマッシブなケースデザインを披露。これは当時の流行の真逆を行く斬新な提案であり、賛否の渦を巻き起こしながら話題を呼んだ。その後も「ロイヤル オーク オフショア」はコレクションの拡充とともに果敢な挑戦を続け、今では名実ともにオーデマ ピゲのフラッグシップモデルの仲間入りを果たしている。
2023年2月、「ロイヤル オーク オフショア」の30周年を迎えたオーデマ ピゲは、2つのブラックセラミックモデルを発表し、どちらも甲乙付け難い魅力を放っている。ちなみにオーデマ ピゲが特別なモデルに使用するブラックセラミックは、酸化ジルコン(ZrO2)パウダーに特殊なバインダーを加え製造しているそうだが、正確な組成は企業秘密とされている。
42mm径モデル初となるケースとブレスレットにブラックセラミックを採用した新作は、オーデマ ピゲが得意とするポリッシュとサテンを交互に並べた仕上げによって存在感を高めている。モノクロームのスタイリングに合わせたプチ タペストリー模様のブラックダイヤルは、6時位置にスモールセコンド、9時位置に30分積算計、12時位置に12時間積算計、3時位置に日付表示を配置し、優れた視認性を誇っている。
2021年からラインナップに加わった43mm径モデルでは、ブラックセラミックケース、メガ タペストリー模様のブラックダイヤル、プッシュピースガード、スタッズなどにイエローゴールドを用いたバイカラーバージョンが登場。ゴールドカラーのステッチを施したブラックのアリゲーターストラップは、工具を用いずにストラップを独自のダブルプッシュシステムにより、付属のラバーストラップと簡単に交換できる。
美しく、それでいて極めてタフなブラックセラミックの魅力を最大限に引き出した「ロイヤル オーク オフショア」の30周年記念モデルは、オーデマ ピゲが牽引するラグジュアリースポーツウォッチのさらなる可能性を見出したと、熱い視線が注がれている。
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オーデマ ピゲ ジャパン TEL:03-6830-0000
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■連載「意欲的新作ウォッチ」とは……
2022年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる“活きのいい”モデルを厳選! 時代を超えて輝き続ける、腕時計のパワーを改めて感じて欲しい。