ATSUSHIの復帰を経て再びEXILEが動きだす。メンバーがそれぞれに知見を深めて発揮する集合知。そして、EXILEと後輩たちが「EXILE TRIBE」の一員として巡らせてきた夢のかたち、LDHのパーパス「Circle of Dreams」に迫る。ATSUSHI編。

希望であるべき存在
ソロ活動や体調不良による休業期間を経て、ATSUSHIがEXILEに戻ってきた。ATSUSHIが後に「Get-go!」となる曲に出合ったのは、体調不良からの回復期だった。
「EXILEをもう一回ちゃんとやらないと、自分のなかでもけじめがつかないし、そういう日を迎えなければいけない。そんな気持ちで、この曲を聴きながら散歩をしていたんです。その時に感じていた『こういう気持ちでファンの皆さんに会える日が来たらいいな』という願いを歌詞に込めました」
ソロ活動を経験し、歌詞の違いが明確になったという。
「『Rising Sun』や『愛すべき未来へ』のようなメッセージは、ソロでは書けないかもしれない。EXILEという存在が、僕に書かせている。今回も自分の気持ちを込めていますが、グループのメンバーとして投げかけている言葉になりました」
ボイスレコーダーに録音した仮歌をHIROやメンバーに共有。EXILEの本格再始動にあたり、リスタートを飾る曲として採用された。メンバーたちは、復活したATSUSHIがEXILEとして表現したい音楽について、そのビジョンを共有するようになったと証言する。
「僕が辞める前のEXILEは、HIROさんの影が色濃く残っていましたし、僕も遠慮がありました。でもこの曲から、個人的に浮かんでいるイメージをみんなに伝えるようにしたんです。ボーカルが伝えるメッセージ性にパフォーマンスがついてくるわけですし、そこにみんなのアイデアを織りこんでいければいいなと思ったので。まずは自分がどういうEXILEにしたいのかを考えることが、24年前からいる最後のオリジナルメンバーとしての責任でもあると感じるところは、正直あります。『いよいよ自分が引っ張っていかなければいけない』と気づいたといいますか」

24年をかけた進化とクリエイティブのかたち
数年ぶりにジョインしたEXILEの雰囲気についてたずねると、「それが、全然変わっていなかったんですよ」と懐かしそうに微笑んだ。だが、EXILEのクリエイティブに対する姿勢には変化があったという。
「それぞれがソロ活動を経て、アイデアマンになってきています。NAOTOや直己でいうと、三代目でやったことを『EXILEにこういう風に生かしても面白いんじゃないですかね』と、それぞれの経験を持ちより、アイデアとして提案する。彼らからすると三代目がホームでEXILEに流用しているのかもしれないという複雑な関係性ではありますが、なんだか仲良くまとまっていますね。みんな大人なので、お互いの事情を汲みつつ、EXILEの看板のために、エゴのない意見を言える。そこが、今のEXILEの強みだと思います」
今のATSUSHIがかなえたい夢のひとつに、傷ついた子供たちの心を癒やす活動がある。
「今年、『あつしこどもプロジェクト』という一般財団法人を立ち上げました。本当に苦しんでいる子供たちの力になりたいんです。そういう子たちが幸せになれる施設をつくるという夢を描いていて、そのためにいろいろと動いています」
What is EXILE?
今を生きる10代の人も100歳の人も、EXILEに触れるきっかけがあると信じている。わずかでも触れた時に、少しでも希望を感じてほしい。笑顔になってほしい。同じ時代に生きる人たちにとってEXILEが希望となる存在でありたい。

1980年埼玉県生まれ。2001年よりEXILEのボーカリストとして活動。2011年ソロデビュー。2020年にソロ活動への専念を発表。2022年の卒業ライヴツアーの最終日にEXILEへの復帰を発表。一酸化炭素中毒の疑いによる体調不良で休業後、2025年に完全復活を果たした。
Release Information
「Get-go!」 2025.9.27 on sale
デビュー記念日にリリースする通算52枚目シングルは、再会への喜びや感謝、未来への希望が込められた、爽快&キャッチーな楽曲。映像DISCには、ATSUSHI 893日ぶりのEXILEライヴステージ復活となった『EXILE LIVE TOUR 2025”WHAT IS EXILE”』 FINALの歴史的ライヴ映像を収録。