2022年にディズニープラス スターで独占配信され、大きな話題となったドラマ『ガンニバル』。主演の大悟を演じた柳楽優弥はシーズン2の撮影が始まる時、大きな肯定感と高揚感を感じていたと語る。インタビュー前編。

衝撃的なストーリーと迫真の映像で世界的ヒット
警察官・阿川大悟が駐在として赴任したのは自然豊かな供花村(くげむら)。大悟はこの限界集落の恐ろしい因習についての噂を耳にする。この村では人が喰われているのではないか――。
やがて大悟はこの限界集落には恐ろしい因習があるのではないかと疑念を抱くようになる。この村では人が喰われているのではないか。疑惑の中心は長年にわたって村を牛耳ってきた後藤家。年に一度の村の祭りの日、ついに大悟は後藤家の核心へと迫っていく――。
2022年にディズニープラス スターで独占配信され、大きな話題となったドラマ『ガンニバル』。地上波では放送できないような衝撃的なストーリーと迫真の映像でグローバルでもヒットした本作の完結編となるシーズン2が2025年3月19日より配信された。
世界を相手に勝負を挑むというワクワク
主演の大悟を演じた柳楽優弥もこのシーズ2を楽しみに待っていたのだという。
「僕、自分の主演作で続編が作られるのが初めてなんですよ。そういう嬉しさもあったし、作品への思い入れも強かった。
『ガンニバル』は、これまでならインディペンデント系で扱われそうな題材を、配信だからこそメジャーのスタッフ、キャストで実現できた作品。これまで日本のドラマ、映画ではできなかったような取り組みだと思っています。
もちろん国内だけでなく、広くグローバルの人にも楽しんでもらわなきゃならない。結果を出さなきゃという緊張感もありますが、それ以上に世界を相手に勝負を挑むというワクワクした気分で撮影に臨んでいました」
大悟と家族は、供花村に来る前にある事件に巻き込まれていた。その傷を癒やすために田舎の村に赴任したはずだったのだが、より大きな闇に飲みこまれそうになっていく。
「僕が思う大悟はシンプルなキャラクター。正義を大切にし、悪い人を見たら捕まえたいと考える警官です。ただ以前、自分のせいで子どもを危険にさらしたという思いがあるから、より子ども、家族を守ることに強い思いを抱いている。
とくにシーズン2では怒りに燃えているというシーンばかりだったので、演じているうちにアドレナリンがあがって、アクションも嫌いではないので、楽しくやることができたと思います」

片山慎三監督のセンスによるもの
小説やマンガを原作とした映画やドラマの場合、原作から改変されることが多い。だが、この『ガンニバル』の場合、原作ののおどろおどろしい世界観をそのままに、人物像に関しては補足され、より深く描かれている。
「それは片山(慎三)監督のセンスによるものだと思います。監督は主要人物だけでなく、エキストラのひとりひとりにまでちゃんと演出をつける。それこそ画面に写っていないような人にまで演技指導をするので、出番の少ない人物でもちゃんとキャラクターに奥行きが生まれるんだと思います」
誰が敵なのか味方なのか、いつどこから敵が襲ってくるのか。ヒリヒリとした緊張感ある映像が観るものを惹き込んでいく。
供花村のすべての謎が明らかになるシーズン2。徹夜して一気見する人が続出しそうだ。

1990年東京都生まれ。2004年『誰も知らない』で史上最年少のカンヌ国際映画祭最優秀主演男優賞を受賞。以後、多くの映画、ドラマで活躍。演技力の高さで定評があるが、『ガンニバル』では激しいアクションも見せる。
<衣装クレジット>ブルゾン¥48,400(ティントリア マッティ 954/トレメッツォ TEL:)03-5464-1158) その他はスタイリスト私物