ビジネスの荒波を越えていくには、身体を鍛え続け、自分自身と向き合うことが欠かせない。経営者ならではの効率的で圧倒的な魅力ある鍛錬、そこから得られるものとは? 今回は、クリーマ代表取締役社長の丸林耕太郎氏に話を聞いた。【特集 筋肉投資】
「データと向き合って小さな成功体験を積み上げれば、身体は必ず進化する」
週3回のジムでの筋トレ、さらに週2回の格闘技。合計週5回のトレーニングを重ねるのは、クリエイターのオリジナル作品を直接売買できる日本最大のハンドメイドマーケットプレイス「Creema」の創業者で代表取締役社長の丸林耕太郎氏。2022年にクリーマ主催のイベントに出演した格闘家に「対戦しよう」とマイクで挑発されたことをきっかけに、肉体改造を始めた。
「学生時代にテニスに打ちこみ、それ以来25年ほどまったく運動をしていませんでした。だからリングで戦える状態にすると同時に、人に見せられる身体にしなければと思ったのが最初です」
エクセルシートで食べたもののカロリーとPFC摂取量をすべて記録。また全トレーニングデータを残し、除脂肪と筋力向上を進め、1年でマイナス20㎏の減量に成功した。
「この1年間で食に対する習慣や価値観が大きく変わりました。何を食べ、どれだけ動けば、どれくらい体重が増減して、どう身体が変わるかがはっきり理解できたからです」
最初は糖質の摂取を断ち、大量の脂質を摂取するケトジェニックダイエットから開始。身体を動かす栄養素である糖質を枯渇させ、代わりに脂質をエネルギー源に変える。その作業は「エンジンで動くクルマを電気で動くようにする」ようなものだという。
「実際に身体の中の回路が切り変わった感覚があり、そこから身体をコントロールしていくことの面白さにも目覚めました。仕事と一緒で、漫然とやるのではなく目的を明確にしたうえで、データをとって向き合えば肉体改造は必ず成功します」
筋トレは仕事後や週末に90分ほど。自身が設計したメニューで胸、背中、肩、脚を分割して行い、3ヵ月に1度、自分の身体をチェックしながらメニューの改定を行っている。社内や友人など、丸林氏に触発され、筋トレを始めた人も少なくないという。
「いくつになっても人は身体的にも成長できる。成長速度に差はあれど、何歳からでも成長できる。そのことを自分が身をもって証明して、まずは大切な人たちから、少しずつでも、トレーニングの価値や楽しさを広めていきたい。それが今の僕の身体づくりの目標ですね。自分のなかにデータを溜めて戦略を練り、小さな成功体験を積み上げれば、必ず身体は進化する。そうなれば筋トレも毎日ももっと楽しくなるはずです」
戦略的に、そして真摯に。今日も丸林氏は己の肉体と向き合い続ける。
My Training Style
1.メニューの試行錯誤が楽しい
「どの筋肉を、どう鍛えるべきか3ヵ月ごとにトレーニング内容を見直し、時にはトレーナーさんと意見を交わしながらメニューを改定しています。その試行錯誤も学びになります」
2.昨日の自分を超えられる
「先週より2.5kgベンチプレスの重量が上がった、など結果がデイリーベースで数字に表れる。昨日の自分を超えられたと明確に実感できるのは筋トレ特有の面白さかもしれません」
丸林耕太郎/Kotaro Marubayashi
クリーマ代表取締役社長/クリエイティヴディレクター。1979年神奈川県生まれ。慶應義塾大学在学中からプロのDJとして活躍。2009年クリーマの前身となる赤丸ホールディングスを創業。2010年ハンドメイドマーケットプレイス「Creema」の運営を開始。2020年東証マザーズ上場。
Gym Data ▶︎ STUDIO BAZOOKA 渋谷一丁目店
住所:東京都渋谷区渋谷1-19-1 HOUSEONE 2F
TEL:070-1553-8267
営業時間:10:00~22:00
定休日:年末年始
この記事はGOETHE 2024年11月号「総力特集:ハイリターンな貯筋計画 一生涯、筋肉投資。」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら