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2024.03.18

お金持ちへの嫉妬は、“自由は有料”と考えれば解消できる【人気NO.1講師のお金論 前編】

放送作家、NSC(吉本総合芸能学院)10年連続人気1位であり、王者「令和ロマン」をはじめ、多くの教え子を2023年M-1決勝に輩出した・桝本壮志のコラム。

「お金がないので、イライラしたり、お金持ちに嫉妬したりします。よい対処法ってあるんでしょうか?」

といった質問をいただきました。

「貧富の差は拡大し、賃金は上がらないのに、お金持ちは史上最高値となった株で私腹をさらに増やしている」。そんな感情に悩まされているのビジネスパーソンも多いのではないでしょう。

そこで今回は、若いころは月収10万円以下で働き、今でも芸人学校の講師として、約1500人の“お金がない若者”と向き合っている僕が、この質問を2週に渡ってほぐしていきたいと思います。

「お金がないとき」ほど「お金を得る意味」を知ろう

まずは、「お金がない」と向き合う考えかたです。

今でも多くの日本人が、「お金の話は下品」や「お金が好きな人は卑しい」というマインドを持っていますが、僕は生徒たちに「お金は大好き」と公言したうえで、「お金がないときほど“お金を得る意味”を知ろう」と伝えてきました。

その「お金を得る意味」とは大きく2つです。

①「自由」とは有料

②お金は「お金より大切なものを守るため」に必要

「自由」とは有料

かつてブラックな職場で働いていた僕もそうでしたが、人はお金がないとき、「お金なんてそこそこあればいい」「金の亡者は汚らわしい」という“お金に執着しないマインド”になりがちです。なかには、「お金に縛られていない自分こそが自由人だ」と思いはじめる人もいます。

しかし、この「自由」とは、お金への不安をやわらげたい鎮静剤のような思考で、現実は、今回の相談者さんのようにイライラがつのります。

なぜなら、満員電車がイヤだからタクシーに乗る、都会の喧騒を離れたいから遠出する、YouTubeの広告が面倒だからプレミアムに加入するなど“私たちの自由は有料だから”です。

これは山奥で自給自足をするなど経済圏の外に出ないかぎり逃れられないので、できればお金は持っておいたほうがいいんですね。

お金は「お金より大切なものを守るため」に必要

いくら蓄財をしても、人は幸せになれる金額が違うので「お金持ち=幸せ」とはかぎりません。

しかし、“お金で幸せは手に入らないけど、不幸は払いのけられることができる”のは確かです。

例えば、空き巣被害は怖いものですが、お金があればセキュリティを強固にできますし、身体に異変があれば、より精密な検査ができる医療機関も選択できます。

さらに、不幸だけでなく、あなたが叶えたい夢や、大きな事業にうって出るとき、お金によって有能な協力者を得ることも考えられます。

そう、お金は、家族、健康、信用、意思決定など“お金より大切なものを守るためにも必要”なんですね。

最初にすべきは、「おだやか」でいられる金銭の確保

お金がないときに「お金を持つ意味」を知っておくと、おのずと「働こう、稼ごう」の目的が明瞭になります。

もちろん、すぐに大金なんて手にできないので、最初は「最低限の自由と、最低限の不幸を払いのけることができる金銭」の確保を目指しましょう。

「最低限の金銭」は、何よりあなたの心をおだやかにしてくれます。“うまくいく人の共通点”は“機嫌がいい人”なので、平穏な日々は生活の好転にもつながります。

かつての僕にも、職種や業務内容は選ばず、“仕事は稼ぐための行為”だと決め、とにかく「最低限」を得るために行動した時期があります。

知人のIT社長さんも、「自分はお金を吸いよせる磁石だ!くらいの感覚で、仕事を選ばずにやってきたからこそ、おだやかな今日がある」とも言っていました。

もしよければ、できることから試してみてください。

大丈夫。あなたはまだ、あなたを現金化できていないだけですからね。

後篇となる来週は、さらに深い「お金がない」と向き合う思考法、さらには、今回の相談者さんの質問にあった「お金持ちへの嫉妬」についても、僕なりの考えをお伝えしていきたいと思います。

では、また来週お逢いしましょう。

桝本 壮志/Soushi Masumoto
1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。王者「令和ロマン」をはじめ、多くの教え子を2023年M-1決勝に輩出。

COMPOSITION=古澤誠一郎

TEXT=桝本壮志

PHOTOGRAPH=杉田裕一

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