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2024.02.26

嫉妬する自分に苦しんでいませんか? 嫉妬心を「毒」ではなく「良薬」にする方法

放送作家、NSC(吉本総合芸能学院)10年連続人気1位であり、王者「令和ロマン」をはじめ、多くの教え子を2023年M-1決勝に輩出した・桝本壮志のコラム。

誰かに嫉妬していますか?

他人に嫉妬する自分に苦しんでいませんか?

  • 自分より早く昇進していく同期
  • 上司や周囲に気に入られている後輩
  • キラキラ生活に包まれたインフルエンサー
  • 我が子よりも成績のいい友人の子供

……など、嫉妬の対象者はウジャウジャ。

そして“他者に嫉妬してしまう自分”に苦しんでいる人たちも多いのではないでしょうか?

そこで今週は、「嫉妬」をテーマに、僕なりの考えかた、向き合いかたを綴りたいと思います。

まずは、「嫉妬=悪い」という感情を手放す

子供のころ、親に「嫉妬はよくない」と教えられた僕は、“嫉妬=悪いこと”と思っていました。

10代のころ、ソクラテスの「妬みは魂の腐敗である」という言葉と出会い、それは確信になりました。

しかし、頭では「良くないこと」だと分かっていても、何歳になっても、1万人の教え子をもつ先生になっても“他人への嫉妬”は湧き上がってくるのです。

オレは極悪人じゃないか……?

自分を責め、自己肯定感もダダ下がりだったので、いっそ「オレは嫉妬まみれや」「アイツもコイツもうらやましい」と受け入れてみたら、スッと心が軽くなったんです。

今では、「友人であっても、嫉妬心をもたずに成功を喜ぶ人はいないのでは?」「苦楽を共にした同僚や同期でも、出世を妬まない人はいないんじゃないか?」とさえ思っています。

とくに、私たち日本人の教育システムは、「みんな平等」を合言葉に“横並び意識”が浸透してきたので、そこから抜け出す有能者に対して“嫉妬しやすい感情”が生まれやすくなっています。

まずは、「嫉妬=悪いこと」という思考を手放し、「それで通常運行!」だと開き直りつつ、次のステップに進みましょう。

嫉妬は「良薬」にも「毒」にもなる

他人に嫉妬することは当たり前。しかし、大切なのは“その反応のあと”です。

僕に言わせれば、「嫉妬」は“4コマ漫画の2コマ目”です。

①他者が成功や出世をする
②それに嫉妬してしまう
③嫉妬を晴らす行動に出る
④行動によって〇〇が起こる

そう、嫉妬という「反応」のあとに生まれる「行動」と「結果」が重要で、これによって嫉妬は“良薬”にも“毒”にもなってしまうのです。

例えば、他者に嫉妬しても、悔しさをエネルギーに換えて、眼前の仕事や勉強に励み、おのずとスキルやキャリアアップができる人たちは“嫉妬を「良薬」にできるタイプ”。

かつて「妬みは魂の腐敗である」と信じてしまっていた僕も、今では“しょせん人間は、嫉妬とやきもちでアクティブに行動できる”くらいに思っているので、無意識にこの「良薬タイプ」の行動を選択できています。

いっぽう、他者に嫉妬したとき、その人の成功をくじこうとしたり、評価を下げようとしたり、SNS上に仮想敵を見つけてウサ晴らしをしたり、といった行動に出る人たちは“嫉妬を「毒」に換えてしまうタイプ”。

それに伴う結果も、いつか毒々しいものになってしまうんです。

嫉妬心を生む「イスとりゲーム」から離れて別の場所で戦う

では、「毒」はどのように解毒していけばいいのでしょう?

嫉妬によって「毒行動」に出てしまう人たちに共通している感情は“自分がいるはずの場所に、あいつが座っているのが気に食わない”です。

出世、職場の人気者、インフルエンサーなど、全部そうです。

しかし、これを解決するためには、自分も「イスとりゲーム」に参戦するしかなく、その人をイスから引きずり降ろしても、またキラキラした嫉妬の対象者が座るだけなのです。

なので僕は“彼らだけが本当に成功者なのか?”と考えています。

「成功」とは、給料や地位など“増える・上がる”というイメージがあり、それを目的にしてしまいがちです。

しかし、他人に嫉妬して毒行動に出るのではなく、「あいつはあいつ、自分は自分」と、余計な考えを引き算のように“減らす・取り除く”。

そうやって嫉妬心を取り除いて“解毒”できる人だって立派な「成功者」と言えるのではないでしょうか?

それでは、また来週お逢いしましょう。

桝本 壮志/Soushi Masumoto
1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。王者「令和ロマン」をはじめ、多くの教え子を2023年M-1決勝に輩出。
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連載
桝本壮志コラム

放送作家を中心に活躍する傍ら、NSC(吉本総合芸能学院)の講師として10年連続で人気投票数1位を獲得している桝本壮志さんのコラム。

COMPOSITION=古澤誠一郎

TEXT=桝本壮志

PHOTOGRAPH=杉田裕一

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