PERSON

2024.02.18

「長野にも住みたい」山﨑賢人、今の家と理想の家とは

主演のオファーが引きも切らない人気俳優が望む、癒やしと心地よさが両立する理想の家とは──。最新主演映画のなかにどうやらそのヒントはありそうだ。【特集 多拠点邸宅】

山﨑賢人

心地いい空間、古いもの、自然が好き。そういうものに囲まれた家が理想

話題の超大作映画の主演を次々と射止め、イノセントなルックスとその演技力で観客を魅了する俳優・山﨑賢人。ウブロをはじめとしたラグジュアリーブランドのアンバサダーも務めるファッションアイコンとしても知られるが、そういった華々しい活躍の裏で、常人以上の激務や分刻みのスケジュールで心身を酷使しているであろうことは想像に難くない。

多忙かつハードな一日を送ることの多い人気俳優にとって、仕事を終えて帰る“家”とは、どういった場所なのだろうか。

「僕にとって家は、心からリラックスするための場所ですね。音楽を聴いたり、映画を観たり、アロマを焚いてみたり。強めのライトが常に当たる仕事なので、室内の照明はオレンジ色の優しい光を多めに置いたりもして。熱い湯船に浸かった直後に冷たいシャワーを浴びて、専用の椅子に座ってひとりで“ととのったり”することも多々あります。とにかく家では心身ともにリラックスするために、さまざまなことができるようにしています」

時には翌日の撮影のために台詞を覚えたりすることもあるが、家では基本的に休養と癒やしに徹する、と山﨑。空間を彩るインテリアにも自分なりの好みを反映させていて、目に入る範囲には好きなものしか置かない主義だともいう。

ペーパーコードチェアや知り合いから贈られたヴィンテージのライトなどに加え、趣味で集めている古着や最近集めだしたレコードなどもその一部に。そして何よりも、自然の豊かさを感じる木のぬくもりが好きだと力説する。

「理想は、木の家具に包まれている感じでしょうか。ゆったりしている時に、木のいい香りがしていたら最高ですよね。いろんな人がやっている多拠点での生活にも憧れはあります。もし東京を離れてどこかに住むとしたら、長野がいいですね。例えば、ロケで訪れた松本や安曇野あたりとか。ご飯も美味しいし、水も空気もキレイで、自然に囲まれていて。自宅の庭でキャンプやバーベキューができるような場所だったりすれば、なおのこといいなと思います」

山﨑賢人
ニット¥187,000、パンツ¥187,000、ブーツ¥159,500(すべてサンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ/サンローラン クライアントサービス TEL:0120-95-2746 時計¥1,111,000(ウブロ/LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ TEL:03-5635-7055)

映画で触れた豊かなアイヌ文化に興味が湧いた

折しも現在公開中の主演映画『ゴールデンカムイ』では、明治末期の北海道が舞台。見渡す限り真っ白な雪原や原生林を開拓した町並みでの撮影では、前述の長野をはじめ、北海道、山形などへ長期のロケに出たという。

物語は、莫大なアイヌの埋蔵金を巡る一攫千金のミステリーと、ひと癖もふた癖もあるキャラクターたちが躍動感のあるサバイバルバトルを繰り広げる冒険譚(だん)。山﨑は、日露戦争の英雄で元陸軍兵の主人公・不死身の杉元を、鬼気迫る表情と高い熱量でパワフルに演じる。

「原作漫画がとにかく面白いということが一番ですけれど、演じる側としても、登場するキャラクターがすべて個性的で、それぞれの信念や正義感が生き様に表れていることにとても魅力を感じました。原作ではシリアスななかにギャグ要素もあり、そのギャップを実写で演じたらどうなるんだろうと演じる前からワクワクしていましたね。そして、北海道で古くから大自然と共生してきたアイヌ文化に触れられたのも楽しかったです」

映画では、埋蔵金のありかを巡っての壮絶なバトルアクションに加え、相棒となるアイヌの少女・アシリパから教えてもらう狩猟や料理の智慧など、豊かなアイヌ文化の描写も大きな見どころとなっている。

「映画のなかにも出てきますが、アイヌの人々が狩猟や採集に出かける時に寝泊まりする“クチャ”という仮小屋がとてもいいんです。木の枝や葉っぱなど自然の中にあるものだけで三角テントのような形に建てて、その中で煮炊きしたり眠ったり。アシリパさんの大叔父(おおおじ)役として出演もしている秋辺デボさんに、実際に建てた話なども聞けたりして、すごく興味が湧きました。家の庭でそういう小屋を建てるのもいい癒やしになりそうです」

2024年9月には満30歳を迎え、俳優としてもますます活躍の期待が寄せられる2024年。人生設計をするのはもう少し先になりますかね、と謙遜しながらも、山﨑賢人の心のなかには理想の住処の青写真がうっすらと描かれているようだ。

山﨑賢人
シャツ¥220,000、パンツ¥253,000、ブーツ¥159,500(すべてサンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ/サンローラン クライアントサービス TEL:0120-95-2746) 時計¥1,111,000(ウブロ/LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ TEL:03-5635-7055)

山﨑賢人/Kento Yamazaki
1994年東京都生まれ。2010年に俳優としてデビュー。以後、映画やドラマ、舞台など幅広く出演。2024年も話題作の主演が控える。現在はサンローラン、ウブロなどのラグジュアリーブランドのアンバサダーも務める。

『ゴールデンカムイ』
累計発行部数2,700万部を超えるベストセラーコミックを、個性派キャストと大迫力のバトルアクションで完全実写化。全国の東宝系劇場にて、絶賛公開中。

ゴールデンカムイ
原作:野田サトル「ゴールデンカムイ」(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)
監督:久保茂昭
脚本:黒岩勉
出演:山﨑賢人、山田杏奈、眞栄田郷敦、矢本悠馬、玉木宏、舘ひろしほか
©野田サトル/集英社
©2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

【特集 多拠点邸宅】

この記事はGOETHE 2024年3月号「総力特集:多拠点邸宅」に掲載。▶︎▶︎購入はこちら

TEXT=畠山里子

PHOTOGRAPH=片桐史郎(TROLLEY)

STYLING=伊藤省吾(sitor)

HAIR&MAKE-UP=髙橋幸一(Nestnation)

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