挑戦は誰でもできる。だが、その挑戦のすべてが成功という結果になるわけではない。成功する者は、唯一無二の個性を持っている。ではその個性とは何か? 俳優と書道家、挑戦し続けるふたりの男が語り合った。
武田双雲「賢人くんは、エネルギーはすごく強いのに透明な印象」
山﨑 もともと会社員だった双雲さんが、どうして書道家になられたんですか?
武田 すごい覚悟とか思いがあったわけではないんですよ。書道教室をやっていた母の字を見てカッコいいなと思い、オフィスで書いてみたら評判になって、書道の道もいいなと思って会社を辞めた。そこからは流れに身を任せている感じで(笑)。
山﨑 でも書道の枠を超えたアートを手がけたり、海外で展覧会をやったり、さまざまな挑戦をしていますよね。
武田 求められてやってみたら道が開けたという感じなんです。僕の場合、自分が自分がと前に出て主張するより、他の人の導きに従っているうちに個性が引きだされる。職業は違うけど、山﨑さんも俳優として同じような感じかなと思っていました。
山﨑 演技をするうえで、自分を出したいと思ったことはないです。その役らしくなることだけを考えて演じています。
武田 さっき山﨑賢人という文字を書いた時にそれを感じたんです。エネルギーはすごく強いのに透明。そういう人って周りの人間がどんどん個性を引きだしてくれるんですよ。
山﨑賢人「僕は自分よりも作品が評価されたほうが嬉しい」
山﨑 たまに、俳優としての個性がどういうものなのかも自分ではよくわからなくなるんです。
武田 これだけ作品に出ているわけですから、周りの人は賢人くんの個性を感じている。自分では気づいてないかもしれませんが、こうやって話していても真っ直ぐで強いエネルギーを感じますよ。
山﨑 個性を意識せず、自分なりに一生懸命、役に向き合って演じていく。それが僕のスタイルなのかもしれませんね。
武田 自分で個性を出そうと思っていると、個性を出したい集団のなかのひとりになる。自分は無作為でも、それを続ければ他人が個性を認めていく。
山﨑 僕は自分よりも作品が評価されたほうが嬉しい。観客の方に楽しんでもらうのが一番なんです。その思いこそが今の僕の個性なのかもしれない。
武田 山﨑さんの場合、これからも無邪気に演じていけばいい。心配しなくても個性はありますから(笑)、周りがどんどん引きだしてくれますよ。
山﨑賢人×武田双雲 スペシャル対談動画
KENTO YAMAZAKI
1994年東京都生まれ。2010年に俳優デビュー。以来、映画・ドラマ・舞台など幅広く活躍。2023年11月にウブロのアンバサダーに就任。人気コミック原作の主演映画『ゴールデンカムイ』公開中、2024年4月に『陰陽師0』が控える。
SOUUN TAKEDA
1975年熊本県生まれ。3歳より書道家の母に師事。大学卒業後、会社員となるが3年間の勤務を経て、書道家として独立。大河ドラマ『天地人』など多くの映画、ドラマなどの題字、ロゴを手がける。アーティストとして海外からも注目を集める。
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LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ TEL:03-5635-7055
山﨑賢人着用衣装:ジャケット¥82,500、パンツ¥33,000(ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 新宿 TEL:03-6457-7957)、その他スタイリスト私物