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2024.01.12

松井玲奈、人生を変えた大人の恋愛小説とは

数多ある音楽、本、映画、漫画。選ぶのが難しいからこそ、カルチャーの目利きに最上級の1作品を厳選して語ってもらった。今回紹介するのは、俳優/作家の松井玲奈。【特集 最上級主義2024】

島本理生『よだかの片想い』

「まるで蝋燭の火が消えるような儚い別れに心を揺さぶられた」

「この小説を映像化したい。自分が出演したい。ひとりでも多くの人に届けたい。そう願った唯一の作品が、島本理生さんの小説『よだかの片想い』です。この本と出合ったのは文庫化された2015年。渋谷のヴィレッジヴァンガードでした。小説なのに天体本のコーナーに置かれていて、なぜ? と手に取ったのが最初。生まれつき頬に痣のある主人公、アイコの初恋が丁寧にリアルに描かれ、ぐんぐん引きこまれました。

私は高校時代に芸能界に入って忙しいまま大人になったので、この作品が生まれて初めて読んだ大人の恋愛小説です。一番好きな小説の一番思い入れの強いキャラクターの素敵な姿を映画で観たいと感じ、親しいプロデューサーさんに映像化を強く訴えました。

とくに印象的なのは、アイコが大学のシャワー室に閉じこめられて恋人の飛坂に会いに行けないシーン。あの情熱を映像で自分も観たかった。島本さんは男女の別れを過度にドラマティックにせず、まるで蠟燭(ろうそく)の火が消えるように儚く描いています。それがとても美しくて、心を揺さぶられました。たとえフィクションであっても、装飾せずにありのままでもいいんだ、と知りました。

2019年、私自身が小説『カモフラージュ』でデビューしたのですが、担当編集の方によると、私の文章には島本さんの作品を好きなことが表れているそうです。執筆をするなかで影響を受けているのかもしれません」

島本理生『よだかの片想い』

島本理生『よだかの片想い』表紙
島本理生『よだかの片想い』
恋や遊びから意識的に距離をおいてきた、頬に大きな痣のある24歳の主人公、アイコ。真摯に生きる彼女のインタビュー記事が書籍化や映画化され、監督の飛坂と恋愛関係に。女性に不自由せず、自分のペースで暮らす飛坂に翻弄され、時に暴走しながらも、自分を見つけ、大人の女に成長していくアイコが静かに描かれていく恋愛小説。
松井玲奈さん
松井玲奈/Rena Matsui
俳優/作家
1991年愛知県生まれ。俳優、作家としても活躍する。NHKプレミアムドラマ『仮想儀礼』に出演中。著書に『カモフラージュ』『累々』などがある。

【特集 最上級主義2024】

この記事はGOETHE 2024年2月号「総力特集:最上級主義 2024」に掲載。▶︎▶︎購入はこちら ▶︎▶︎特集のみ購入(¥499)はこちら

TEXT=神舘和典

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