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2024.01.03

名門「こぐま会」代表が教える、幼児が英語の前にまず学ぶべき“5つの領域”とは

幼児に読み・書き・計算はまだ早い。そう唱えるのは、入塾希望者が殺到する名門幼児教室「こぐま会」の代表・久野泰可氏だ。早期教育のひとつとして「英語」がスタンダードになりつつあるが、名門小学校への合格者を多数育てた久野氏考案の「KUNOメソッド」によれば、幼児には、英語よりも先に、小学校入学前に身につけるべき力があるという。『子どもが賢くなる75の方法』(2014年刊)の一部を再編集してお届けする。

Unsplash/Kristin Brown ※写真はイメージ

 幼児期に学ばせたい5つの領域

幼児期、子どもに必要なのは「知識」を詰め込み、テストでいい点数がとれるようになることではありません。必要なのは、ものの見方をしっかり身につけ、小学校に入ってから始まる「教科学習」を支える土台を作ることです。

そのために必要な基礎教育として私は、「未測量(みそくりょう)」「位置表象(いちひょうしょう)」「数」「図形」「言語」の5つを考えました。これを「5領域(ごりょういき)」と呼んでいます。それぞれを簡単に説明しましょう。

 ①未測量
「大きさ・多さ・長さ・重さ」などの「量」を土台にして数概念を学びます。幼児は㎝、gなど「単位」を理解するのが難しいため、生活の中で身近な「量」を使ってそれぞれを比べたり、大きい順に並べたりすることを通して、数概念の基礎を作ります。

 ②位置表象
「上下・前後・左右」といった位置関係をとらえ、表現できるようにします。同時に、自分とは異なる場所・方向からのものの見え方を学習します。

 ③数
「ものを正しく数える」ことから始め、数を比べたり等分したりなど、生活の中でよく行っていることを通して四則演算の基礎を身につけます。

 ④図形
身近なものを通して基本的な図形の特徴をとらえ、形の見比べ、正確に描く練習、構成・分割を通して図形感覚を養います。

 ⑤言語
人の話や絵本、紙芝居を正確に聞きとる力を養い、「読む・書く」の前提として「聞く・話す」力をつけ、言葉遊びを通して将来の言語学習の基礎を作ります。

5つの領域をバランスよく、子どもの発達段階に応じてステップを踏みながら学んでいくことが、子どもの力を最大限に伸ばしていきます。

5領域で得られる「10の力」

領域は小学校から始まる教科教育の土台となる基礎教育であると同時に、「考える力」を身につけます。では、考える力とはどのようなものでしょう。それには次の10の柱があります。

●ものごとの特徴をつかみ、観察力を高める……ものごとを観察し、特徴をとらえて、共通点や差異点を発見する。

例:たくさんの絵の中から、同じ絵を探す。このとき、たとえば服の柄だけが違う、手の向きが違うなど、一見同じに見えるが1箇所だけ異なる絵を用意して、それぞれの違いを比べながら正しい1枚を選ぶ。 

●いくつかのものごとを比較する……大きさを比較したり、「どちらがいくつ多いか」など数を比較する。

例:赤と青など色の異なるおはじきをそれぞれ違う数用意し、「どちらがいくつ多いか」、「違いはいくつか」などに答える。

●ある観点に沿ってものごとを順序づける……大きい順に並べたり、絵カードを時間的順序をふまえて並べてお話を作る。

例:大きさの違うボールや箱を5個用意して、大きい順に並べる。また、お話の場面を描いた4枚の絵を見て、お話が完成するよう正しい順番に並べる。

●全体と部分の集合関係を把握する……全体の数と、それを構成する部分の数について、その関係を考える。

例:公園に男の子が4人、女の子が6人いた場合、女の子全員にお菓子をあげるときと、子ども全員にお菓子をあげるときでは、どちらがいくつ多く用意しなければいけないかを考える。

●観点を変えてものごとを見る……1つの観点にとらわれず別の観点で考える。

例:机の上に置いたヤカンに対して、前・後・右・左と違う所から見たとき、その見え方の違いを絵に描いてみる。

●ものごとを相対的にとらえる……3つの違う大きさのものがあったとき、「BはAより大きいがCより小さい」など、ものごとを相対的にとらえる。

例:「お母さんは、あなたより大きいけれど、お父さんよりも小さい」など、身近な人やものの大きさを比べてみる。

●逆から考える……結果から原因を考えるなど、時間的な順序を逆にして考える。

 例:ジュースが少ししか残っていないコップと、それよりも多く残っているコップを用意し、「ジュースをたくさん飲んだ人はどっち?」と聞いてみる。

●あるものごとを、ひとまとまりにしてとらえる……「車1台あたりに5人乗る」など、ひとまとまり(1あたり量)でとらえるものの見方を身につける。

例:自動車、自転車、三輪車の絵を見て、その乗り物が複数あるときのタイヤの数を答える。

●規則性を発見する……並び方の法則性や変化の法則性を発見する。また、変化するものと変化しないものを区別して考える。

例:○△□×○△□×…と並んだもののうち所々が欠けているとき、そこに何を入れたらよいのかを考える。

●AとB、BとCの関係からAとCの関係を推理する……シーソーを使い、BはAより重く、CはBより重いとき、Bを仲立ちとしAとCの重さの関係を考える。

 例:背を比べて、太郎君と花子さんでは花子さんのほうが高く、花子さんと次郎君では次郎君のほうが高いとき、背の高い順に名前を言う。

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【具体的なKUNOメソッドを知りたい方はコチラ】

久野泰可/Yasuyoshi Kuno
1948年静岡生まれ。横浜国立大学教育学科卒業。1972年現代教育科学研究所に勤務。1983年幼児教育実践研究所「こぐま会」の室長を経て、1986年代表に就任。教育者として常に現場に身を置きながら、国内外で講演を行う。約50年に及ぶ教室での実践を通して「ひとりでとっくん」100冊シリーズや、多くの具体物教材・教具を開発。幼児の発達段階をふまえた独自のカリキュラム「KUNOメソッド」は、中国、韓国、ベトナム、シンガポールなど、海外の幼稚園・教室でも導入されている。2012年「KUNOメソッド」を更に広めるべく、幻冬舎と共同でブランド「100てんキッズ」を立ち上げ、商品を開発。著書に『間違いだらけのお受験』『3歳からの「考える力」教育』(ともに講談社)、『「考える力」を伸ばすAI時代に活きる幼児教育』(集英社)など。

TEXT=久野泰可

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