ドラマの大盛況によって、ついに映画として最集結した「ゆとりですがなにか インターナショナル」のメンバー。ふたつの世代に分かれ、それぞれの世代観とスーツ論を語る。今回は、松坂桃李、岡田将生、柳楽優弥のインタビューをお届けする。【特集 テーラード2023】
「ゆとり世代」の世代観とスーツ論!
かつて彼らの新人時代、「これだからゆとりは」と、上司を悩ませた「ゆとり世代」も徐々に30代に突入。今やその多くが、そんな揶揄を過去のものにし、経営者たちの右腕になり始めている。
社会に出て奔走する「ゆとり世代」を描き、社会現象になった2016年のドラマ『ゆとりですがなにか』への出演で絆を深めた3人が、映画化で再集結。今だから思う世代論、そして大人にこそ似合うスーツについて語り合う。
岡田 ゆとり世代の僕らも、後輩が増えてきたでしょう。みんなどう接していますか?
松坂 僕も悩んでいるんです。これまで先輩とお仕事することが多かったので、後輩とどう接していいかわからなくて。
柳楽 僕ら世代はシャイだもんね。先輩は「何でも聞きな、何でも答えてやるぜ」って言ってくれたけど、僕らがそれをやっていいものか。後輩に「別に聞くことない」とか言われたら、モジモジしちゃいそうだし(笑)。
松坂 だから先輩たちも、これまで勇気を出して僕らに声をかけてくれていたのがわかりました。ありがたいことだったと。
岡田 僕は、この前ついに後輩とふたりで食事に行きました。
松坂 お〜! どう誘ったの?
岡田 木戸大聖(たいせい)くんという俳優さんで、向こうが誘ってくれたんです。前日から、何着てこうとかドキドキでした(笑)。
柳楽 デートかよ!
岡田 自分からは誘えないですよね。でも大先輩の吉田鋼太郎さんは、ガンガン誘ってくださるからすごい。この前も電話をいただいていたのに、折り返せたのが翌日の夕方になってしまって……。それでも全然怒ってませんでした。
松坂 すぐ折り返さないところが、さすがゆとりだよね(笑)。
岡田 いや、気がつかなかっただけだから! 誘ってもらえるのが嬉しい世代です!
「ゆとり世代」のスーツ論
――本誌の撮影で、スーツを着用いただきましたが、年齢に合わせてスーツの好みは変わっていますか?
岡田 仕事上、スーツを着るのは役衣装としてが多いんです。だからか、友人の結婚式などプライベートで着る時は、リラックス感のあるものがいいと思うようになりました。
松坂 僕は逆にタイトに身体にフィットするものが好き。2年ほど前に、プライベートで1着仕立てたんです。大事な時に着る一張羅がそろそろ必要だなと。すっと袖が通る、自分のためにつくられた感じが、やっぱりいいんですよ。
柳楽 実は僕も先日、初めて仕立ててもらったんです。海外に行くと、フォーマルな場所に呼んでもらうこともあるので、自分に合わせたものが欲しくて。ネイビーで、クラッシックなデザインのものにしました。僕ら、最初の1着を作り始める年頃なんですかね。
岡田 へ〜! ふたりともそうなんだ。僕も、そろそろ仕立てたいなぁ。
柳楽 いいものだよ。内ポケットに好きな数字を刺繍してもらいました。3月生まれだから「3」って。そういうオリジナリティを出せるのも好き。
松坂 仕立ての工程を見るのはいい経験でした。テーラーさんがメジャーで丁寧に測ってくれて、プロの本気の仕事を間近で見られたのも感動でした。
――大人になりつつあるゆとり世代の皆さんの、取り扱い説明を、先輩であるゲーテ読者にお願いします。
松坂 協調性がないと言われる世代ですが、そんなことは全然ない! 上の世代の方の激しい生き様も見てきていますし、バランスはいいんじゃないかな? と勝手に思っています。マイペースですがお許しください。
柳楽 美味しいものを食べさせてもらえると喜びます。
岡田 僕らも早く、皆さんに追いつけるよう、マイペースに頑張ります!
岡田将生
1989年東京都生まれ。映画『雷桜』『ドライブマイカー』『1秒先の彼』などに出演。『悪人』『告白』の2作で第34回日本アカデミー賞優秀助演男優賞受賞。
松坂桃李
1988年神奈川県生まれ。映画『孤狼の血』シリーズ、『流浪の月』などに出演。『新聞記者』で第43回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞。
柳楽優弥
1990年東京都生まれ。『誰も知らない』でカンヌ国際映画祭最年少で男優賞獲得。映画『ディストラクション・ベイビーズ』『浅草キッド』などに出演。
※クレジットのないアイテムはスタイリスト私物
この記事はGOETHE2023年11月号「総力特集:型にはまらない紳士服」に掲載。▶︎▶︎購入はこちら