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2023.08.11

【西野亮廣】「バズった」では再現性が無いので、「オンライン配信チケットが伸びている理由」を冷静に分析してみる―『夢と金』20万部突破の説得力

毎度お騒がせしております。キングコング西野です。今回の記事は、毎朝voicyという音声メディアで配信している「#西野さんの朝礼」でお話ししたことから、編集して紹介させていただきます。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ

今日は『「愛」を安く見積もらない方がイイ』というテーマでお話ししたいと思います。

【連載  『革命のファンファーレ』から『夢と金』】

第106回 個々人が発信力(宣伝力)を持つ時代には、「愛を育む」ことにキチンとコストを割いた方がいい!

西野亮廣

なぜ、『テイラー・バートン』のオンライン配信チケットはこんなに売れているのか

舞台『テイラー・バートン』が話題をよんでおりまして、公演終了後からオンライン配信チケットの売り上げがグングン伸びて、8月10日の時点で【6300枚】を突破しました。

この規模の(350席の劇場で2日間しかやらなかった)舞台作品としては、ちょっと異例の展開になっております。

これに関しては、本当に皆様に感謝しかないわけですが、一方で、これを「バズった」で片付けてしまうと、再現性が無いので、「なぜ、オンライン配信チケットが伸びているのか?」を冷静に分析してみたいと思います。

まず最初に絶対に押さえておきたいコトがありまして…こういう話をする時に、すぐに「売り方(マーケティング)」の方に目が向けられてしまうのですが、そんなのは二の次、三の次で、やっぱり大事なこととして「クオリティーでブッちぎっている」というのがあります。

『テイラー・バートン』に関しては、出演者のポテンシャルは半端なかったし、舞台美術や照明をご覧になられた方はもうお分かりだと思いますが、あのキャパの劇場で、あれだけ作り込まれた空間って、世界のどこを探しても無いんです。

『テイラー・バートン』のクリエイティブスタッフは、僕らのイベントでいうと、キングコングの武道館ライブだとか、武道館でおこなった学校イベント『サーカス』だとか、ミュージカル『えんとつ町のプペル』などを手掛けていたり、あとは、今年の10月28日(土)に幕張メッセでおこなう『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』という大盆踊り大会を手掛ける、いわゆる「トップクリエイター」達で、そういう人達が本気で作っているので、そりゃもう、とんでもないクオリティーです。

あと、忘れちゃいけないのが、「そういうトップクリエイター達が集まって、本気で作り込める土台作り(=予算作り)」もキチンとしています。

今回に関して言えば、「クラウドファンディング」「オンラインサロン」「プロセスエコノミー」「NFT」「VIP戦略」といった、実に鼻につく横文字のオンパレードで、制作費を捻出しました。

「チケット」と「グッズ」の売り上げだけでは、『テイラー・バートン』は作れなかった(現実問題、トップクリエイターを集められなかった&集めたところで彼らの力を出しきれなかった)です。

なので、いまだに「クラファンは詐欺でしょ」とか、「オンラインサロンは宗教でしょ」とか、「西野のやっていることはよう分からんけど、なんかムカつく」と言っている舞台人には一生作れない。

「勉強」や「知らないことを知る努力」を捨てた人には、一生作れない
とにもかくにも全員『夢と金』(幻冬舎)を読んでください。

「愛を育む」ということを甘く見ない方がイイ

こういった下地があった上で、今日の話なのですが、やっぱりオンライン配信チケットの売り上げが伸びた大きな大きな理由の一つに「愛」があると思います。
具体的に言うと、キャストの皆さんが作品やチームに対して抱いている「愛」です。

臭い話をしちゃって申し訳ないですが、でも、この「愛」というのが本当に大事で…たとえば先日の宮迫さんのYouTubeチャンネルをご覧になられましたでしょうか?

内容は舞台『テイラー・バートン』の稽古場でのドッキリ企画だったんですが、コレは言うまでもなく舞台『テイラー・バートン』のオンライン配信チケットの宣伝を兼ねています。
だけど、コレはプロデューサーサイドからお願いしたものじゃなくて、宮迫さん(宮迫チーム)の方から「稽古場でドッキリをやって、それを公演終了後に配信して、オンライン配信チケットの売り上げに繋げたい」という申し出があったんです。
【俳優に人生初のドッキリを仕掛けてみました】

戸田恵子さんにしても、TKOの木下さんにしても、阿部よしつぐさんにしても、公演終了後も『テイラー・バートン』のことをブログに書いてくださったり、SNSにあげてくださって、そして最後に、オンライン配信チケットのリンクを貼ってくださっていて、これも、プロデューサーの方から「宣伝お願いします!」と言ったわけじゃなくて、自ら手を挙げてやってくださっているんです。

本当にありがたいことに、皆、作品やチームのことを愛してくださっている。

では、この愛が「偶然生まれたものなのか?」というと、そうでは無いと僕は思っていて…
まずは先ほども申し上げましたとおり「クオリティー」が絶対に大事
お客さんにオススメするわけですから、その時に作品のクオリティーに対する「後ろめたさ」みたいなものが微塵もあってはいけない。

僕、舞台役者の友達もそこそこいるのですが、皆、おもんない舞台ってあからさまに宣伝しないんです。
そりゃそうですよね、自分の信用問題に関わるので。

なので「クオリティー」がメチャクチャ大事。

その上で、舞台『テイラー・バートン』は最近の舞台人が後回しにしがちな、「飲み会」をキチンとやったんです。
海外から戻られたばかりの戸田恵子さんも参加してくださって、舞台の話をしたり、たわいもない話をしたり、TKO木下さんの悩みに皆で向き合ったり…そういった「チームを育む時間」をキチンと設けたんです。

たまたま、そういう時間ができたわけじゃなくて、意図的に作ったんです。
稽古を早めに切り上げて、「今日は、もう飲みましょう!(コミュニケーションの時間に使いましょう)」という日もありました。

古臭い手だとは思いますが、ただ、個々人が発信力(宣伝力)を持つ時代においては、とてもとても大切な一手で、「愛を育む」というのは甘く見ない方が(愛を育むことにキチンとコストを割いた方が)イイかもね…というのが今日の結論です。

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西野亮廣「夢と金」
撮影:鞍留清隆

 

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お知らせ! 2023年10月28日に、幕張メッセで『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』!

幕張メッセのド真ん中に巨大な櫓(やぐら)を建てて、“盆踊り大会”を開催することに! 今回仕掛けるのは“えんとつ町の盆踊り大会”、イベントタイトルは『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』です。
現在、クラウドファンディング【幕張メッセで開催する『ハロウィン盆踊り』を大量の提灯で彩りたい】実施中。

 

お知らせ! こどもたちに絵本を贈るプロジェクト「『CHIMNEY TOWN GIFT』のNFT」が話題に!

これは「子供施設に絵本を支援したことを証明してくれるNFT」で、NFTの売り上げで絵本を購入して子供施設にプレゼントします。

 

お知らせ!『西野亮廣講演会』全国各地で続々開催決定!

『西野亮廣講演会』のお知らせです。
下記の都道府県で開催が決まっています。
8月13日(日)に愛知、
8月16日(水)に北海道、
8月21日(月)に京都、
8月23日(水)に秋田、
8月28日(月)に山形、
8月31日(木)に広島、
9月04日(月)に兵庫、
9月06日(水)に大阪、
9月11日(月)に福井、
9月13日(水)に島根、
9月14日(木)に大阪、
9月25日(月)に青森、
9月27日(水)に神奈川、
9月28日(木)に鹿児島、
10月02日(月)に神奈川、
10月04日(水)に香川、
10月11日(水)に愛知、
10月12日(木)に静岡、
10月16日(月)に新潟、
10月18日(水)に大阪、
10月22日(日)にオーストラリア、
11月30日(木)に岐阜でそれぞれ『西野亮廣講演会』がございます。
私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。
チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。
サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。
会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。
講演会開催情報

よろしくお願いします。

 

西野亮廣氏ポートレイト

西野亮廣Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員196万人、興行収入27億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。また「えんとつ町のプペル」は、ミュージカルや歌舞伎にもなっている。

●国内最大となる、約4万人の会員数を誇る有料会員制コミュニティー(オンラインサロン)「西野亮廣エンタメ研究所」はこちら
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TEXT=西野亮廣

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