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2022.11.24

史上最年少の年間王者! 車いすテニス界の逸材、小田凱人を知ってるか?

車いすテニス界に今季、史上最年少16歳で年間王者に輝く逸材が現れた。2021年4月に史上最年少の14歳11ヵ月でジュニア世界1位に輝き、’20年4月にプロ転向。4大大会デビューした全仏オープンで4強入り。今回は’24年パリ五輪の金メダル候補としても注目される小田凱人(ときと)を取り上げる。連載「アスリート・サバイブル」とは……

車いすテニス・小田凱人(ときと)

尊敬するのはBig Boss・新庄剛志

直感は正しかった。9歳で骨肉腫を発症。左足が不自由になったため、大好きだったサッカーを諦めた。入院中に主治医から様々なパラスポーツを紹介され、動画サイトでパラスポーツを調査。カスタマイズされた車いすのカッコよさにも魅了され、テニスを選択した。

「車いすテニスを見てビビッとくるものがあった」

それから、わずか7年後。16歳になった小田凱人(16歳・東海理化所属)は車いすテニスの年間王者に輝いた。2022年10月30~11月6日にオランダ・オスで開催されたNECマスターズ(オランダ・オス開催)で優勝。シングルスの年間成績上位8人で争うツアー最終戦を史上最年少で制覇した。

予選ラウンドを2勝1敗で2位通過し、準決勝はヨアキム・ジェラール(34歳・ベルギー)をフルセットの末に撃破。決勝では予選ラウンドでストレート負けを喫したアルフィー・ヒューエット(24歳・英国)を6-4、6-3で破り、4度目の対戦で初白星を挙げた。国際テニス連盟(ITF)によると、’17年に19歳で同大会を制したヒューエットを抜く最年少王者。シングルスで28度の4大大会制覇を誇る絶対王者の国枝慎吾(38歳・ユニクロ所属)が準決勝で棄権するなか、頂点に立った。

快挙から2日後。小田は帰国直後に羽田空港内のホテルで会見を開き「帰ってきてようやく実感がわいてきた。試合が終わった直後は信じられず、夢の中にいるような感覚だった。夢が叶った」と実感を込めた。そのうえで「最年長の記録は競技を続けていれば達成できると思っているが、最年少記録は始めた時期や運もある。最年少のタイトルをもっと獲りたい。16歳でグランドスラムを獲ります」と宣言。来年、’23年1月の全豪オープン制覇を次のターゲットに定めた。

凄まじい成長曲線を描いてきた。競技を始めて4年後の‘20年に、18歳以下の世界一決定戦「世界Jr.マスターズ」に14歳で出場し、シングルスとダブルスで優勝。’21年4月26日付のジュニア世界ランキングで史上最年少14歳11ヵ月18日で1位となった。同年末にジュニアの年間最優秀選手に選出。翌‘22年4月28日に車いすテニス国内最年少の15歳11ヵ月20日でプロ転向を宣言した。

プロになり練習量が倍増。アマ時代は週3、4回のペースで1回2時間程度だったが、週5回で1回3時間以上もボールを追った。他の選手たちと集まって打ち合うだけだったトレーニング内容も激変。コーチとのマンツーマンで濃密なものになり、コート外でもトレーナーとともに体のバランスを整え、瞬発力を上げるパワートレーニングを重ねた。

熊田浩也コーチ(37歳)は「私たちは基本練習が好きなのでひたすら基本練習を続けてきました。凱人が他の選手と大きく違うと感じる部分はテニスに対して真面目な部分。自分が納得いくまで練習するので、練習時間をどれだけはみ出すのというぐらい」と説明する。

目指すは’24年パリ・パラリンピック優勝。そのために超えなければならない壁が国枝だ。競技を始めた頃は国枝の打ち方や動きを参考にして、見よう見まねで技術を伸ばした。憧れ続ける存在だが「これからライバルとして戦うことも増えてくる。憧れは勝負になると消さないといけない」と言い切る。過去4度の対戦で1度も勝利なし。’22年10月の楽天オープン(東京・有明テニスの森公園開催)決勝では初めてセットを取り、フルセットにもつれる大接戦を演じたが、あと1歩で金星を逃した。

尊敬する存在はプロ野球・日本ハム監督のBig Bossこと新庄剛志監督(50歳)。同じプロとして派手なパフォーマンスやトーク力に魅力を感じている。自身も魅せることを心掛けており、報道陣に「国枝選手がこれからどのぐらいプレーを続けるかもあるが、まずは勝利したい。勝った時は(新聞の)1面でお願いします」とアピールしている。

パラリンピックのシングルスで3度の優勝を誇る国枝から「これからの車いすテニス界は凱人を中心に回ると思う。スケールがデカい。いつかやられるという思いはずっとある」と絶賛される逸材。16歳とは思えない落ち着き払った言動やオーラはスター性も十分だ。

「まだまだ強くなります」

史上最年少年間王者の称号に満足することなく、‘23年シーズンも走り続ける。

小田凱人/Tokito Oda
2006年5月8日生まれ、愛知県一宮市生まれ。9歳の時に左股関節に骨肉腫が見つかり、サッカーから車いすテニスに転向した。‘20年に18歳以下の世界一決定戦「世界Jr.マスターズ」に14歳で出場してシングルスとダブルスで優勝。’21年4月26日付のジュニア世界ランキングで史上最年少14歳11ヵ月18日で1位となった。’22年4月28日に車いすテニス国内最年少の15歳11ヵ月20日でプロ転向。4大大会デビューとなった6月の全仏オープンで4強入り。’22年10月30~11月6日にオランダ・オスで開催されたNECマスターズで優勝で優勝して史上最年少で年間王者に輝いた。身長1m75cm。

■連載「アスリート・サバイブル」とは……
時代を自らサバイブするアスリートたちは、先の見えない日々のなかでどんな思考を抱き、行動しているのだろうか。本連載「アスリート・サバイブル」では、スポーツ界に暮らす人物の挑戦や舞台裏の姿を追う。

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TEXT=木本新也

PHOTOGRAPH=アフロ

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