好きなことに没頭できる自分だけの空間があれば、人生は深みを増す。価値観を人に押しつけることなく、淡々とこだわり、淡々と愛でる。今回は、レイザーラモンRGの仕事の流儀にも通じる趣味部屋に潜入した。【特集 浪漫のある家】
約400足が収納されるこの部屋で、毎朝2時間かけてセレクト
赤、青、黒……。色鮮やかなスニーカーのボックスが積まれた部屋で自撮りするレイザーラモンRG。
「2021年にスニーカー部屋をつくるために引っ越しをしました。400足くらいありますけれど、以前は寝室に積んでいたんですよ。週に4足ペースで買っていったら、すぐに天井まで届いてしまいました。湿気で箱がゆがむと土台が傾き、雪崩(なだれ)のように崩れます。地震で崩れてドアがふさがり、外へ出られなくなったこともありました」
スニーカーのボックスはカラーを意識して積んでいる。
「ナイキ、アディダス……。インスタ映えするように、メーカーごとに揃えて積みます。スニーカーショップみたいでカッコいいでしょ? インテリアというか、アートを意識しています」
起床すると、まず、スニーカー部屋に2時間ほど籠(こも)る。
「今日はどのスニーカーで出かけるか、検討に検討を重ねます」
3つの観点からセレクトする。
1.その日の天気
2.その日の仕事内容
3.仕事現場で会う共演者
「雨ならば防水加工、靴が汚れないスタジオ収録ならばレアなもの、共演者にスニーカーマニアがいたら激レアなものを選びます。まず10足ほどセレクトし、トーナメント方式でしぼり、その日の1足を決定します」
セレクトする2時間の集中度は高い。立ったまま考え続ける。
「仕事へ向けてスイッチを入れる時間です。自分にぴったりのスニーカーを選べれば、一日気分よく過ごすことができます。スニーカーが決まったら、靴下、パンツ、シャツ、キャップ……と、下から上へとコーディネイトしていく。家を出て歩いていて、ふとお店のウィンドウに足が映ること、ありますよね? その時にスニーカーがしっくりはまっていると、仕事のモチベーションも一気に上がります」
一日のタイムスケジュールはほぼ決まっている。起床→スニーカー選び→仕事→スニーカーのメンテナンス。
「帰宅したらすぐにスニーカーをブラッシングして、風通しのいい玄関でまる一日冷却してから、ボックスに戻す。完全にスニーカーに支配された生活を送っていますね」
レイザーラモンRGのスニーカーコレクション公開!
Razor Ramon RG
1974年熊本県生まれ。’97年に吉本興業に入門し、レイザーラモンを結成してデビュー。ルミネtheよしもと、森ノ宮よしもと漫才劇場などで定期的に公演を行っている。 Instagram:@rgrazorramon